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発熱、倦怠感、胸の痛み、息切れ、脚のむくみ…心筋炎かも 主な原因はウイルス感染

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 心臓の筋肉である心筋に炎症が起こる心筋炎は誰にでも起こりうる病気です。気付かないくらいの軽症で終わることもあれば、急に心臓の機能が低下し命に関わることもあります。風邪症状に加え、胸痛などの異常があれば早めの受診が大切になります。(中田智香子)

ポンプ機能の異常

発熱、倦怠感、胸の痛み、息切れ、脚のむくみ…心筋炎かも 主な原因はウイルス感染

 心筋炎は、心臓のポンプ機能が正常に働かなくなることで心不全になったり、心臓が止まってしまう重い不整脈を起こしたりすることがあります。一方、ほぼ無症状のまま、診断を受けずに治るケースも多いとみられています。1年で100万人あたり144人がかかると推計されています。

 原因別で最も多いのはウイルス感染です。風邪のほか、新型コロナウイルスやインフルエンザの感染に伴って発症することがあります。ほかにも薬の副作用、ワクチンの副反応、免疫の異常、細菌感染が引き起こすこともあります。新型コロナのワクチン接種がきっかけで心筋炎を発症するケースが話題になりましたが、頻度は非常にまれです。

 発熱や 倦怠けんたい 感など風邪のような症状や、 嘔吐おうと 、下痢といった消化器の症状に始まり、数時間~数日後に、息切れ、脚のむくみなどの心不全の症状や胸痛が表れるのが一般的です。

 心筋炎の胸痛は、心臓を包む心膜に炎症が及ぶことで起きることが多く、息を吸った時に痛みが強くなるのが特徴です。炎症は2、3週間で自然に改善しますが、その間に1割程度が心臓の機能低下で重篤な状態に陥り、「劇症型心筋炎」と呼ばれます。悪化の程度の予測は困難といいます。

早めに受診を

 症状から心筋炎が疑われれば、心電図や血液検査、胸部レントゲン検査、心臓超音波検査などを行って診断します。

 治療は急に心臓の機能が低下した場合の対処が鍵になります。軽症で特別な治療が必要ない段階でも基本的に入院し、悪化の兆候を見逃さないよう、心電図などを見て慎重に経過観察を行います。

 最も多いウイルスによる心筋炎では、炎症自体に効果のある薬は今のところなく、心不全と不整脈への対症療法が中心になります。

 心不全が悪化すると、強心薬で心臓のポンプ機能を強めたり、利尿薬で体の余分な水分を出して心臓の負担を減らしたりします。

 症状の重い劇症型心筋炎では、機械で一時的に心臓の機能を補います。「ECMO(エクモ)(体外式膜型人工肺)」や、胸の大動脈に入れた風船を収縮・膨張させて心臓の負担を減らす「大動脈内バルーンパンピング」、心内留置型ポンプカテーテルを使います。

 劇症型でも心臓の機能が正常に戻ることも多いです。しかし、機械を装着した患者の1割程度が、機械を外せるほどには回復せず、心臓移植を検討することがあります。心臓の機能がほぼ回復し退院した場合でも、心筋炎の再発や不整脈がないか定期的に診察を受けることが大切です。

 国立循環器病研究センター心不全部長の北井豪さんは「健康な若い人でも、発見が遅れると、心臓の状態が著しく悪化していることがあります。風邪症状に加えて胸痛や息切れなどがみられたら、早めに受診してください」と話しています。

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