わきがの治療 受診するのは何科? 生活で気を付けることは?
中2の孫娘に、わきが( 腋臭症 )があり、思春期なので母親が心配しています。わきがは何科を受診すればよいですか。手術で治せますか。生活で気を付けることは?(82歳女性)
形成外科や皮膚科で診療
貴志 和生 慶応大学形成外科学教室教授(東京都新宿区)
わきがは、主にわきの下などで異常な臭いを引き起こす症状です。皮膚にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類の汗腺(汗を出す器官)があり、アポクリン腺からの分泌物と皮膚表面のバクテリアが反応し、特有の臭いを生じさせるのが主因です。
遺伝的なものや性ホルモン、ストレスのほか、スポーツによる発汗も臭いの発生に関係しているようです。日常生活で気を付けるべき点は、シャワーやお風呂でわきの下を毎日よく洗うこと、汗が蒸発しやすい通気性の良い服を選ぶこと、アルミニウム塩を含む制汗剤を使用すること、消臭成分が含まれたデオドラントを使用することなどです。
治療には、ボツリヌス毒素の局所注射や塩化アルミニウム溶液の外用も有効とされています。症状が強い場合は、アポクリン腺を手術で取り除くこともあります。わきの下の皮膚を切り、皮膚の裏側のアポクリン腺を医療用のハサミで取り除く方法が最もよく行われています。
ハサミのほかにも特殊な機器が最近では開発されています。皮膚を切らずに治療するマイクロ波エネルギーで、汗の腺を破壊する機器も効果があるとされています。ただ、手術で強い臭いは減りますが、完全に取り去るのは難しいです。
わきがは形成外科や皮膚科で診療しています。