あんしんゼミ
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結婚するカップル ピークだった1972年の半分以下…国の「結婚新生活支援事業」とは?
ゼミ生 来年、いとこが結婚します。最近、若いうちに結婚するカップルは少なくなったのでしょうか。
初婚の平均年齢上昇
教授 厚生労働省の人口動態統計によると、2022年の婚姻件数は50万4930組でした。前年より3792組増えましたが、新型コロナウイルスの感染拡大前である19年の約60万組には戻っていません。約110万組とピークだった1972年から緩やかな減少傾向にあり、現在では半分以下の水準となっています。
初婚の平均年齢は2022年、夫が31.1歳、妻が29.7歳でした。1985年と比べ、夫は2.9歳、妻が4.2歳上昇しました。2020年の国勢調査では、30~34歳の男性は2人に1人(47.4%)、同年代の女性は3人に1人(35.2%)が未婚でした。晩婚化や未婚化が少子化につながっているとみられています。
ゼミ生 結婚にはどんな障害があると考えられていますか。
教授 結婚するのにお金がかかると感じている人もいます。国立社会保障・人口問題研究所が21年に実施した調査では、結婚に対する障害として、未婚の男女の約4割が結婚式や新生活準備にかかる「結婚資金」、約2割が「住居」を挙げました。内閣府が21年度に行った調査でも、結婚に伴う経済的不安として、住居費(25.7%)や家具や生活雑貨の購入(19.9%)、結婚式費用(15.9%)、引っ越し費用(14.6%)が上位にあります。
ゼミ生 負担感を和らげるために、支援制度はありますか。
741市町村、家賃など支援
教授 新婚夫婦の新居購入や家賃、引っ越し費用などを補助する国の「結婚新生活支援事業」があります。ともに39歳以下で所得合計が500万円未満が条件です。ともに29歳以下では最大60万円、それ以外は最大30万円が受けられます。今年4月時点で千葉市や水戸市、宇都宮市など全国の約4割に当たる741市町村が行っています。
ゼミ生 独自に支援をしている自治体があると聞きました。
教授 東京都は1年以内に結婚予定か結婚1年以内のカップルに結婚式場などで割引を受けられるパスポートを発行しています。福井県坂井市では新婚の若い夫婦に現金10万円を給付しています。もちろん結婚するかどうかは自由です。結婚を望む人が希望をかなえられるようにすることが大切です。
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