スポーツDr.大関の「ムーヴ・オン!」
「する」「みる」「支える」のどの立場にあっても、スポーツは生活を彩り豊かにしてくれます。しかし、スポーツにけがはつきもの。けがを予防し、笑顔で楽しむために必要なスポーツ医学の知識を、整形外科医の大関信武さんが伝えます。
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ラグビー・ワールドカップ(W杯)フランス大会 開催期間を当初より1週間長くしたワケ
ラグビー・ワールドカップフランス大会は10月8日、日本はアルゼンチンに敗れ、決勝トーナメントに惜しくも進めませんでした。それでも最後まであきらめず体を張る姿に、勇気をもらえたのではないでしょうか。肉弾戦であるラグビーは、高いレベルになると、当たりの衝撃も桁違いに大きくなり、どれだけ鍛えあげた体をもってしても、けがは起きてしまいます。そこで今回のワールドカップは、選手のリカバリー期間を考え、全チームに最低中5日の試合間隔をもうけました。スポーツドクターとしては、選手の安全を考えた大きな進歩だと思いますが、間延びした感じを持つファンもいたかもしれません。
姫野、流、マシレワが負傷
今回の大会を振り返っても、日本チームの何人もの選手がけがに見舞われました。ジャッカルが代名詞の姫野和樹選手=写真中央=はふくらはぎの負傷のため初戦に出場できず。スクラムハーフで副キャプテンの 流大 選手はふくらはぎを負傷したため、アルゼンチン戦のリザーブにも名前はありませんでした。2戦目のイングランド戦にフルバックで出場したセミシ・マシレワ選手は、キックを蹴った際に太ももを負傷し退場。ワールドカップ期間中のプレー継続は困難と判断され、山中亮平選手が急きょ代表に呼ばれ、アルゼンチン戦でも途中出場しました。
多い負傷は、脳しんとう、靱帯損傷、肉離れ
2015年のラグビー・ワールドカップの統計では、頻度が多い負傷は、脳 振盪 、膝 靱帯 損傷、ハムストリング肉離れ、ふくらはぎ肉離れ、 大腿 部血腫の順だったと報告されています(1)。常にベストメンバーでプレーすることを考えては立ち行かず、誰が出場しても機能するチーム作りが必要です。
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