一病息災
闘病記
[矢方美紀さん]乳がん(1)小林麻央さんのニュースを見て、胸をさすってみると…自分は大丈夫か
2009年、17歳の時にアイドルグループ「SKE48」のオーディションに合格し、故郷の大分県から、活動の拠点となる名古屋市に移り住み、地元の劇場を中心に芸能活動を始めた。
左胸のしこりを見つけたのは17年12月、グループを卒業して10か月ほどたったタイミングだ。自宅のテレビで、乳がんで闘病して、34歳で亡くなった、フリーアナウンサー小林麻央さんのニュースを見た。若くてもがんを発症するケースがあるのだと知った。
25歳の自分は大丈夫か――。胸からわきの辺りまでさすってみると、左胸にポコッとした感覚を覚えた。直径1センチほどでビー玉のような硬さだった。
痛みはないし、皮膚の色も普通だ。いったい何だろう。友人に相談すると、「すぐに病院に行って」と強い調子で促された。
翌日、診療所を受診、2回の検査を経て、年明けに「乳がんでした」と説明された。がんは乳房にとどまる早期とみられるという。
焦りや悲しみよりも、疑問が湧いた。「頭の中が、クエスチョンマークでいっぱいになりました。つらい症状は何もないのになぜだろう。がんになるのは20年、30年後の話と思っていたし、運がなかったのかなって」
紹介された大学病院でさらに詳しい検査を受けると、わきの下のリンパ節への転移が見つかった。「早期だから簡単な手術だけで治るだろう」との淡い期待が砕かれた。
矢方美紀さん 乳がん闘病中のウィッグコレクション【写真8枚】
◇
タレント 矢方美紀 さん(31)
【関連記事】