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医療・健康・介護のニュース・解説

ICTで高齢者の健康管理 どうやって?…家電の使用状況で生活の乱れを把握するサービスも

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 デジタル技術で課題解決を目指すDX(デジタルトランスフォーメーション)が社会全体で広がる中、医療・介護分野でもICT(情報通信技術)を活用した高齢者の健康管理が進みつつあります。先進的な自治体の取り組みを取材しました。(田野口遼)

腕時計型端末を活用…北海道更別村

ICT 健康管理支える

 「右腕と左腕を反対方向に回してみましょう」

 9月上旬、北海道更別村の福祉センターで開かれた、認知症予防の運動教室。講師の合図で、高齢者が回していた左腕には、時計型のウェアラブル端末が装着されていた。

 端末は村が希望者に貸与し、普段から心拍や血圧、血中酸素濃度、歩数、睡眠時間などを計測するものだ。データは、すべてインターネット上の村の「クラウドサービス」で保存、管理される。高齢者本人がスマートフォンのアプリで数値を確認できる。心拍数や血圧に異常があれば、本人や家族に通知される仕組みだ。

 常に端末を身につけているという辻本やよ江さん(74)は「睡眠時間の計測で、あまり眠れていないことが分かり、早めの就寝を意識するようになった」と話した。

 村では、端末の貸与のほかに、運動やカラオケ教室への参加や病院受診の際に使えるオンライン予約、見守りのサービスなどを一体的に提供している。住民が100歳代まで生きがいを持って楽しく暮らせることを目標に「100歳までワクワクサービス」と名付け、昨年10月から始めた。現在、利用はすべて無料で、65歳以上の人にはスマホも貸し出す。約3100人の村民のうち約500人が利用する。

 特に先進的なのは、家庭の電力使用状況から高齢者の異変を察知する見守りサービスだ。

 提携する奈良県立医大発のベンチャー企業「MBTリンク」の梅田智広社長によると、家庭全体の電力使用状況から、30分ごとに確認する方法が一般的だが、同社の場合、炊飯器や電子レンジなど家電ごとに使用状況を1分単位で分析できる。生活リズムの乱れなどを細かく把握できるため、認知機能の低下にも気付きやすいのが特長という。

 梅田社長は「客観的なデータを基に早期に支援につなげることができれば、医療費や介護費の削減もできる」と強調する。

 村では、消防や医療機関に村民のデータを提供し、救急対応や病気の治療に役立てることも検討しており、「様々なサービスで村民のウェルビーイング(真の幸せ)の実現を目指したい」(今野雅裕・スーパービレッジ推進室長)としている。

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