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医療・健康・介護のコラム

不妊治療 保険適用される回数を超えても妊娠できない42歳女性…治療を続けるか結論出せず

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体外受精で生まれた子ども過去最多

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 日本産科婦人科学会は今年8月末に、2021年に国内で行われた体外受精についての調査結果を発表しました。体外受精によって生まれた子どもは、6万9797人で、その前年の20年より9416人多く、過去最多となったことがわかりました。

 21年に日本で生まれた全体の子どもは81万1604人で、前年から3万人ほど減る中、体外受精で生まれた子どもは約1万人増えました。全出生児のうち11.6人に1人(8.6%)が体外受精で生まれた計算になります。もしもこれに、人工授精で生まれた子どもを加えたのなら、その割合はもっと増えるでしょう。

日本産科婦人科学会の発表をもとにNPO法人Fineが作成

 体外受精で生まれた子どもが増えた理由としては、前年に比べて新型コロナの感染拡大による治療控えが落ち着き、コロナ前のように治療に向かう環境が整ったことがあります。また、不妊治療助成金の支給額が増額された上に、支給の条件であった所得制限が撤廃されたことも大きな理由であったと思います。

 22年からは、この助成金はほとんどの地域でなくなり、代わりに不妊治療に対して保険が適用されるようになりました。今後の体外受精の件数や、それによって生まれてくる子どもの割合がどのように変化していくのか、注視していく必要があります。

4割が年齢・回数制限の撤廃望む

 不妊治療に保険が適用されたことは、体外受精に対するハードルが下がり、当事者にとっては言うまでもなく大変ありがたいことです。ただ、年齢や回数には制限があり、保険が適用されなくなると治療を諦めてしまうという声も聞かれるようになってきました。

 私が理事を務める NPO法人Fineのアンケート調査 では、42%の人が年齢制限と回数制限の撤廃を望んでいます。年齢や回数のあり方については、今後も議論をしていく必要があるかもしれません。また、不妊治療を繰り返しても子どもができない方にも目を向けていただき、メンタルケアを含めたサポート体制を充実させることも大切です。 

 不妊治療については、まだまだ考えていかなければいけないことがたくさんあります。(松本亜樹子 NPO法人Fine=ファイン=ファウンダー・理事)

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松本 亜樹子(まつもと・あきこ)
NPO法人Fineファウンダー・理事/国際コーチング連盟マスター認定コーチ

松本亜樹子(まつもと あきこ)

 長崎市生まれ。不妊経験をきっかけとしてNPO法人Fine(~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~)を立ち上げ、不妊の環境向上等の自助活動を行なっている。自身は法人の事業に従事しながら、人材育成トレーナー(米国Gallup社認定ストレングス・コーチ、アンガーマネジメントコンサルタント等)、研修講師として活動している。著書に『不妊治療のやめどき』(WAVE出版)など。
Official site:http://coacham.biz/

野曽原 誉枝(のそはら・やすえ)
NPO法人Fine理事長

 福島県郡山市出身。NECに管理職として勤務しながら6年の不妊治療を経て男児を出産。2013年からNPO法人Fineに参画。14年9月に同法人理事、22年9月に理事長に就任。自らの不妊治療と仕事の両立の実体験をもとに、企業の従業員向け講演や、自治体向けの啓発活動、プレコンセプションケア推進に力を入れている。自身は、法人の事業に従事しながら、産後ドゥーラとして産後ケア活動をしている。

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