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食堂で週6日ラーメン作る100歳、調理の合間にスクワット20回…「幸せだねぇ」

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 18日は敬老の日。今年2月に100歳を迎えた群馬県藤岡市鬼石の天川ふくさんは、自宅横の中華食堂で週6日、 厨房ちゅうぼう に立つ。背筋はぴんと伸び、調理の合間にはテーブルをまわる。「お客さんと過ごす時間が何よりも好きよ」と毎日が楽しそうだ。(古賀章太郎)

食堂で週6日ラーメン作る100歳、調理の合間にスクワット20回…「幸せだねぇ」

厨房に立つ天川さん。ラーメンに素早く具材を盛りつけていく(14日、藤岡市で)

 ひとつかみした麺を計量器に載せると、ぴったりと決まった分量。麺がゆであがるまでの間には、軽いスクワットを20回ほどこなす。麺の湯を切り、チャーシューやメンマを盛りつける動きはよどみがない。腕の筋力は落ち、野菜のあんかけを作る時に中華鍋は片手で持ち上げられなくはなったが、「動作が体に染みこんでいて、タタタとできちゃうの」と笑った。

 天川さんは42歳の時、夫・孝さんと中華食堂「銀華亭」を開いた。孝さんは20年前に82歳で亡くなり、店をたたもうと思ったこともあったが、家族の力を借り鶏ガラベースのラーメンを作り続けている。店の切り盛りは、長女・武者久美子さん(73)と次男・俊二さん(64)に任せながら、営業日の昼は欠かさず店に出ている。

 そんな天川さんに会いに来る常連客は多い。約20年、店に通う男性(44)が厨房をのぞきこむと、鍋を見つめる天川さんの表情がぱっと明るくなった。威勢良い声で「いらっしゃい。あら、しばらくぶり!」と声を掛けられた男性は、「ふくさんは、全然変わらないね。俺ばっかり、年取っているみたいだよ」と頭をかいた。

 天川さんが客席に出ていくと、店内は「あははは」と大きな笑い声に包まれる。天川さんは「お客さんとは『アドバイスしたりされたり』。元気をもらえるのよね」と話す。客は50歳代以上が多く、老後や介護に関する客の相談に耳を傾ける。天川さんの趣味は家の庭の手入れ。自分も客から草花を教えてもらう。

 玉村町に住む2人のひ孫は中学生になり、成長も楽しみだという。「昔のように昼も夜も働くことはできなくなった。できないことも増えたけれど、幸せだねぇ。こんな生活がずっと続けばいいね」と笑みがこぼれた。

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