赤平大「発達障害と高IQのリアルな子育て」
医療・健康・介護のコラム
発達障害の息子に最適な習い事は? 「数撃ちゃ当たる」で何でも試して、わかったこと
保育園時代に息子は発達障害と高IQという診断を受け、小学校入学後に集団生活への適応が大変であることが表面化しました。
「この子の将来は大丈夫だろうか?」「興味関心があることを見つけてあげたい」「一人でも良いから気の合う仲間ができてほしい」――。私は四六時中悩むようになり、頭の中は負のスパイラルでした。それを打ち消すように発達障害の猛勉強を始めましたが、息子がつらい思いをする前に、どんな支援をすれば良いのかが分からない。時間がどんどん過ぎていく中で、私は「数撃ちゃ当たる」戦略をとることにしました。たくさんの習い事をして、何か一つでも息子の心の成長のきっかけになれば、と考えました。
重視したのが以下の3点です。
① 学校以外の「居場所」になり、安心できること
② 興味関心のアンテナが広がること
③ 小さくても良いから自信が持てること
息子が少しでも関心を示したら、とにかく試してみる。全ての習い事に同行し、記録した息子の習い事の履歴から、実際の効果や私の反省点をお伝えしたいと思います。
水泳、音楽のほか、発達障害では絵画やダンスなど人気
小学生の習い事の現状分析として「小学生に人気の習い事(※1)」と「発達障害で注目される習い事」を比較すると図表1の通りです。
図表1 人気の習い事と発達障害で注目の習い事の比較(小学生白書などをもとに筆者作成)
小学生白書(2022年9月調査)によると「小学生に人気の習い事」について、2013年から首位を堅持しているのが「水泳24.3%」です。定番の「学習塾16.3%」や「英語13.8%」が2桁を取る中、チームスポーツで最上位が「サッカー6.0%」とやや少なく感じます。最近人気のある「プログラミング2.3%」や「動画制作・編集0.2%」はこれから伸びるかもしれません。
発達障害の小学生に人気の習い事については明確な調査は見当たらなかったのですが、発達障害に関する10の情報サイトが注目して取り上げている習い事を集計し比較しました。
左右のデータの項目がそろっていないので参考程度の図表ですが、比較して分かったことは以下の3点です。
① 「水泳」「音楽(楽器)」は変わらず高い人気がある
② 発達障害で注目されているのは「絵画」「ダンス」「プログラミング」
③ 習い事で定番の「学習塾(公文)」や「英会話」は大きく下がっている
「水泳」は、発達障害の中でも自閉的傾向のある子供にとって、自発性や情緒の安定に有効という指摘があります(※3)。「楽器」「ダンス/リトミック」は、発達障害児の自主性や社会性を育む効果(※4)や自己肯定感の向上(※5)が期待されます。体操教室は発達障害児に多い体幹の弱さを強化できます。
一方で、発達障害児には「空間を把握する」「先の展開を予想する」「協調性」などが求められるサッカーのようなチームスポーツが苦手な傾向があります。同時にDCD=発達性協調運動障害もある場合、体のコントロールが苦手なため、スポーツになるとより顕著に苦手さが目立ちます。
1 / 3
【関連記事】
※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。
※個人情報は書き込まないでください。