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肥満で「脂肪肝」になると肝臓がんのリスクが高まる!…酒を飲まない人も要注意

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スマホを使って肥満を治療

――脂肪肝が体に悪影響を与え、がんを発症する可能性までを考えると、間違いなく対策が必要です。

 体重が増えれば脂肪肝になりやすくなります。体重を減らし、メタボを解消すればいいのですが、多くの人にとって、それは簡単なことではありません。糖質や脂肪を多く含む食品は、脳の報酬系を刺激することが分かっています。これは、アルコールや薬物が脳を刺激するのと同じメカニズムで、肥満にはいわば「食べ物依存症」の側面があります。

――ダイエットを成功させるには、本当に強い意志が必要ですし、一度、成功したかのように見えても、継続しないとリバウンドしてしまいます。

 生物にとって、「食べること」は「生殖」同様に重要な本能です。そこに闘いを挑むのだから、簡単なわけがありません。それに、体重を落としたほうがいいからと、無理なダイエットをすると筋肉が失われ、リバウンドをすると脂肪だけが増える結果になります。そうなると、サルコペニア(筋肉の萎縮)やフレイル(⼼⾝の衰え)のリスクが高まってしまう。無理な絶食などで体重減少をしても、その人を健康にしているわけではないのです。

――とは言え、「食事と運動」は対策としては重要だと思います。

 もちろん、運動は間違いなくプラスです。脂肪肝の改善に役立つだけでなく、筋肉量が増えます。糖尿病になりにくくなるほか、長生きするというデータもあります。

 自分が食べ物に依存している習慣を断ち切ることも大切です。今、期待しているのは、スマホを使ったアプリによる治療です。

――どのような治療ですか。

 物を食べたときに快感を覚える脳内の「報酬回路」を、医師が処方するアプリを使って修正します。まだ、臨床試験の段階ですが、これまでの結果では、患者さんが1年間使うことで体重が平均8%減っています。この治療は、高血圧や糖尿病の改善も期待できます。肥満の人が減れば、肝臓がんの予防にもつながると考えています。

肥満で「脂肪肝」になると肝臓がんのリスクが高まる!…酒を飲まない人も要注意

たていし・りょうすけ
 1995年東京大学医学部卒。2005年三井記念病院消化器内科医長。13年東京大学大学院医学系研究科がんプロ特任講師。23年より東京大学大学院医学系研究科消化器内科学准教授。

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