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介護・シニア

道に迷った高齢者 どのような工夫で見守る?…行方不明者が事故で亡くなるケースも

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 認知症の人が外出先で道に迷ったり、帰宅できなくなったりすることがあります。安心して出かけられるように、どのような工夫ができるでしょうか。地域の取り組みを紹介します。(小池勇喜、小沼聖実)

見守りお願いシート…静岡

高齢者 外出先で迷った時に

夫のシートを作って「安心した」という鈴木富子さん=静岡県富士宮市で

 静岡県富士宮市は、気にかけてほしい人の特徴や連絡先を書き込める「見守りお願いシート」を活用して、地域の人たちによる見守りに取り組んでいる。

 鈴木 八寿年やすとし さん(81)は2年前、担当ケアマネジャーの大坂麻里奈さん(42)の勧めでシートを作った。昼前に散歩に出たまま夕方まで戻らないことがあったのがきっかけだ。

 大坂さんが、八寿年さんの妻の富子さん(74)から、ふだんの服装や、よく行く場所などを聞き取って記入し、写真も貼った。自宅から1キロほどの範囲を富子さんと回り、民生委員や、よく立ち寄る喫茶店、商店の店員らに手渡した。

 近所の食料品店「望月商店」の望月磨希子さん(43)は、1日に何度も店を訪れては同じパンを買うことのあった八寿年さんを心配していたという。「一人暮らしではないとわかって安心した。店では別の人のシートも受け取っているので、店のみんなで見守っていきたい」と話す。

 八寿年さんは骨折し、最近は一人で外出することはないというが、富子さんは「じいちゃんのことを知ってくれている人が周りにいるだけで安心できる」と感じている。

 シートは、2011年に市地域包括支援センターが用紙を作り、ケアマネジャーに活用を呼びかけている。個人情報を周囲へ知らせることになるため、利用するかしないか、家族らの判断が必要になる。

 大坂さんは、担当する一人暮らしの高齢者が行方不明になり、捜索のために警察から本人の写真を求められたが、持っておらず困ったことがある。「徒歩でも1時間に4~5キロ移動できてしまう。早く捜し始めるため、備えは大切。家族だけで何とかしようとせず、みんなで対応できる地域を作っておくべきだ」と話す。

 住んでいる地域でこうした取り組みが行われていなくても、近所などに事情を説明し、家族の連絡先を伝えておくだけでも有効だという。

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