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目の中で炎症が起こる「ぶどう膜炎」 白内障や緑内障を招いて失明することも…症状はかすみ、飛蚊症、視力低下

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 目の中で炎症が起きて失明の恐れがある病気「ぶどう膜炎」は、国内で年間約5万人が発症しています。自己免疫疾患、ウイルスや細菌の感染など原因は様々です。原因により治療法も変わり、迅速な診断が重要です。(藤沢一紀)

進行すると失明も

 目の中に入る光の量を調節する「虹彩」、ピントを調節する「毛様体」、網膜に栄養を与える「脈絡膜」の三つを総称して「ぶどう膜」と呼びます。眼球の大部分を覆っています。血管が多く、ブドウの皮に似た紫っぽい色で、炎症が起きやすいのが特徴です。

 炎症が起きると、血液成分などが内側の 硝子体しょうしたい に入り込みます。本来透明な硝子体が濁ると、網膜に正常に光が到達せず、長く続くかすみや、黒い物が飛んで見える 飛蚊ひぶん 症、視力低下などが起きます。進行すると、白内障や緑内障を招き、失明する恐れがあります。

 大まかに「非感染性」(4割)、「感染性」(2割)、「原因不明」(4割)に分けられます。

 非感染性は免疫異常の病気が関わっています。サルコイドーシス、原田病、ベーチェット病の三つが代表的です。

 サルコイドーシスは 肉芽腫にくげしゅ と呼ばれるしこりが心臓、腎臓など体の様々な場所にでき、目ではぶどう膜に炎症を起こします。

 原田病は細菌などから体を守る免疫が何らかの原因で、体内のメラニン色素細胞を「敵」と見なし、攻撃します。目にはこの細胞が多いため、症状が出ます。

 ベーチェット病は、体内の異物を排除する白血球の働きが過剰になることが原因と考えられています。ぶどう膜や口内、陰部など全身の皮膚や粘膜で炎症を繰り返します。

 感染性はヘルペスウイルスや細菌、真菌、寄生虫の一種トキソプラズマなどが引き起こします。神戸市立神戸アイセンター病院などのチームは今年2月、風邪などの原因のアデノウイルスが関わっていることを確認したと発表しました。

 ただ発症原因がわからないぶどう膜炎も多く、研究を進めることが重要です。

基本は血液検査

 発症原因に応じて治療法は変わります。適切な治療を行うためには診察や検査で原因を見極めなければなりません。基本的には血液検査でウイルスや寄生虫感染の有無などを調べます。サルコイドーシスなど全身の疾患が原因と考えられる時に、地域の眼科は総合病院と連携し、胸部X線検査やコンピューター断層撮影法(CT)検査をします。

 検査の結果、感染性と判明したら、抗菌薬や抗ウイルス薬を使います。非感染性の場合はステロイドの点眼薬や免疫抑制剤、生物製剤を投与して免疫の働きを抑制し、炎症を抑えることが治療の中心となります。

 ストレスや睡眠不足、過労などが発症のきっかけになると考えられています。それらを避けることが予防の第一歩となります。

 神戸市立神戸アイセンター病院非常勤医師の杉田直さんは「ぶどう膜炎は、発症に他の病気が関係することが多いです。眼科でまず診断を行いますが、総合病院などと連携し、全身の病気について迅速に相談できる態勢があるかどうかが医療機関選びのポイントになります」と話しています。

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