文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

メディカルトリビューン

メディカルトリビューン

入れ歯はフレイル予防に有効 高齢者の蛋白質摂取量の減少が8割改善

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 高齢者で蛋白質摂取量が低下すると筋肉量の減少につながり、サルコペニアやフレイルのリスクが高まる。歯の喪失は蛋白質摂取量減少と関連することが報告されているが、補綴物(義歯、ブリッジ、インプラントなど)の使用がこうした問題にどの程度保護的に働くかは不明であった。東北大学大学院歯学研究科の草間太郎氏らは、高齢者の残存歯数および補綴物使用の有無と蛋白質摂取量との関連を検討する横断研究を実施。義歯使用により、残存歯が9本以下の場合でも蛋白質摂取量の減少が8割抑制されたとの結果をJ Oral Rehabil( 2023年7月2日オンライン版 )に報告した。

JAGES参加者2000人超が対象

入れ歯はフレイル予防に有効 高齢者の蛋白質摂取量の減少が8割改善

(C)Adobe Stock ※画像はイメージです

 今回の横断研究の対象は、日本老年学的評価研究(JAGES)の参加者のうち、宮城県岩沼市在住で74歳以上の高齢者2,095例(平均年齢81.1歳、男性43.9%)。残存歯数(20本以上、10~19本、0~9本)および補綴物使用の有無と、簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)で推定した蛋白質(総蛋白質、動物性蛋白質、植物性蛋白質)の総摂取エネルギーに占める割合(%E)との関連を重回帰分析により検討した。

 補綴物使用の有無別に残存歯20本以上群(17.7%E)との差を比較すると、10~19本群では補綴物なし例で17.4%E(20本以上群との差-0.25%)、あり例で17.2%E(同-0.35%)と差がなかった(P>0.05)。一方、0~9本群ではなし例の15.4%E(同-2.31%)に対し、あり例では17.0%E(同-0.47%)と総蛋白質摂取量の減少幅が有意に79.4%小さかった(P<0.001、 )。

図.補綴物使用の有無別に見た残存歯20本群と比べた%Eの差

入れ歯はフレイル予防に有効 高齢者の蛋白質摂取量の減少が8割改善

(東北大学プレスリリース)

 以上を踏まえ、草間氏らは「高齢者において歯の喪失は、咬合力や咀嚼能力の低下を招きさまざまな疾患、障害の発生リスクを高める。今回の横断研究により、適切な補綴治療が蛋白質摂取量の減少を抑制することが示された。低栄養状態に起因する多様な健康問題への有効性が期待できる」と展望している。(服部美咲)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

medical-tribune-logo_02

メディカルトリビューン
メディカルトリビューン はこちら

メディカルトリビューンの一覧を見る

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事