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産業医・夏目誠の「ストレスとの付き合い方」

医療・健康・介護のコラム

20歳代でうつ病を発症した男性 49歳までに6回も再発した理由…日本の労働環境は過酷?

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うつ病で休職を繰り返し、大企業から中企業、小企業へ、最後にたどり着いたのは…

あかださきこ

 何度もうつ病を再発して休職を繰り返す人が一定数存在します。うつ病の方に残業などによる過労は大きなストレスになるので禁物ですが、残業が当たり前になっている職場は少なくありません。そういう職場で働かざるを得ないとなると、うつ病とともに生きていくのはなかなか大変です。企業の産業医ではなく、精神科の主治医としてかかわってきた49歳の桜井太郎さん(仮名)は、そんな中で長年頑張ってきましたが、ついに働くのが難しくなりました。経過を紹介します。

大手メーカー就職から8年後に発病

 工業高校電気科を優秀な成績で卒業し大手メーカーに技能職として採用されました。入社8年目、26歳の時にうつ病を発症。全身 倦怠(けんたい) 感と気分の落ちこみが主な症状で、4か月間休職して治療を受けました。

 当面、残業はしないことを条件に職場に復帰。しばらくは定期的にクリニックに通院していましたが、残業や飲み会、遊びたいこともあって、通院が途切れがちに。「自分は心の病気になった」と受け入れることができなかったそうです。

3回目の兆しを感じて自己都合退職

 3年後、月に60時間くらいの時間外労働をしていた時期にうつ病を再発。「病気のことは、職場の仲間には隠していたし、みんなが残業しているのに、僕だけが帰るとは言いづらかった」と言います。5か月間休職して復帰しました。

 それから7年後、36歳の桜井さんは再発の兆しを感じて、「もうこれ以上、周りに迷惑をかけたくない」と自己都合で退職。半年ほど休んで症状が落ち着いてから、これまでよりも規模の小さい中規模の企業に就職しました。年収は580万円から360万円に220万円のダウンです。

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natsume02-prof

夏目誠(なつめ・まこと)

 精神科医、大阪樟蔭女子大名誉教授。長年にわたって企業の産業医として従業員の健康相談や復職支援に取り組み、メンタルヘルスの向上に取り組んでいる。日本産業ストレス学会元理事長。著書に「中高年に効く! メンタル防衛術」「『診断書』を読み解く力をつけろ」「『スマイル仮面』症候群」など。新著は企業の人事や産業医向けの「職場不適応のサイン」ウェブ書籍「メンタル・キーワード療法~5分でできる簡易セラピー」。
夏目誠の公式ホームページ」「精神科医マコマコちゃんねる - YouTube

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産業医・夏目誠の「ハタラク心を精神分析する」

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3件 のコメント

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何とかならなかったのか。

49歳男性

49歳の男性です。20歳代でうつ病になり、症状と付き合いながら仕事を続けています。症状を緩和するのに個人的なお薦めは、日光に当たること、体を動か...

49歳の男性です。20歳代でうつ病になり、症状と付き合いながら仕事を続けています。症状を緩和するのに個人的なお薦めは、日光に当たること、体を動かすことです。仕事中に窓際に行って数分でも日光を浴びるようにしています。通勤は自転車や徒歩の時間を延ばすようにしています。大きな企業には、事情があって短時間の勤務しかできない人へ理解を促したいです。ただし、不公平感をなくすため、給与にしっかりと差をつけることが重要だと思います。

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大・中・小は蟻地獄

バンドエイド

この人は気の毒だとは思うが、最初に勤めた大企業を辞めたのが最大の敗因だと思う。常識的に考えても、企業規模が小さくなるほど仕事はきつく、忙しくなる...

この人は気の毒だとは思うが、最初に勤めた大企業を辞めたのが最大の敗因だと思う。常識的に考えても、企業規模が小さくなるほど仕事はきつく、忙しくなる。ブラックうんぬんではなく、社員数が限定されるのだから当然だ。メーカー系の大企業なら産業医もいただろう。「職場に黙っていた」ことが最大の過ち。可能な限り事情をオープンにして、閑職に回してもらうことだ。この人も当初から通院したと思うが、その時の医師の責任が大きい。精神科の医師には心理カウンセラーとケースワーカー両方の資質が絶対に必要だ。

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残業のない仕事

ちん

20歳代後半の時、事情があって残業のない仕事を探していました。私の場合、コールセンターのテレホンアポインターがそれに該当しました。残業がなかった...

20歳代後半の時、事情があって残業のない仕事を探していました。私の場合、コールセンターのテレホンアポインターがそれに該当しました。残業がなかったため、働く時間を制御しながら、その他の時間をつくることができました。何かのご参考になれば幸いです。

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