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常喜眞理「女のココロとカラダ講座」

医療・健康・介護のコラム

新型コロナ後遺症 せきで肋骨骨折も…吸入薬と飲み薬併用 嗅覚障害は「いい匂い」でトレーニング

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のどの赤み、腫れはなくても…

新型コロナ後遺症 長引くせきで肋骨骨折も…吸入薬と飲み薬併用 嗅覚障害は「いい匂い」でトレーニング

 30歳代前半のCさんは、38.5度の発熱・のどの痛みで来院された。新型コロナウイルス感染症と判明し、治療を行った。発症して1か月ほど経過した頃、たんが絡んだせきがなかなか取れないと、再度来院された。

 日中、夜間ともせき込みが続いており、朝はたんが絡み、日中会議の際に一度せきが出ると止まらないので困っているという。のどもいがらっぽいというので診察すると、すでに赤みや腫れはなくなっていた。聴診でもぜんそくなどの異常はない。

 とはいえせきが続いており、せきのしすぎで 肋骨(ろっこつ) を骨折することもあるので、せきに対応する治療を開始することにした。ステロイドと気管支を広げる薬の混ざった吸入薬を毎日吸入して、少しずつ治してもらう。吸入薬に含まれるステロイドは気道の炎症を抑えていく効果があり、飲み薬に比べ安全性が高い。ただ即効性はないので、せきがひどい時の頓服薬としてせき止めの飲み薬を併用してもらうことにした。この薬の作用は、脳に働きかけてせきが出るのを抑えるものなので、定期的に服用するのではなく、対症療法として補助的に使うと心得ていた方が良い。

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常喜 眞理(じょうき・まり)

 家庭医、医学博士
 1963年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医・指導医、内科学会認定医、日本医師会認定産業医。院長を務める常喜医院(内科、皮膚科)での診療のほか、慈恵医大新橋健診センターでは診療医長として健康診断(人間ドック)の内科診察を行い、婦人科や乳腺外科の診断を担当する。様々な大手企業の産業医でもあり、職場におけるメンタルヘルスのサポートを長年行っている。著書に『オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(すばる舎)、『お医者さんがやっている「加齢ゲーム」で若返る!』(さくら舎)。現在、BS-TBS「Together」に準レギュラー出演中。

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