常喜眞理「女のココロとカラダ講座」
医療・健康・介護のコラム
新型コロナ後遺症 せきで肋骨骨折も…吸入薬と飲み薬併用 嗅覚障害は「いい匂い」でトレーニング
のどの赤み、腫れはなくても…
30歳代前半のCさんは、38.5度の発熱・のどの痛みで来院された。新型コロナウイルス感染症と判明し、治療を行った。発症して1か月ほど経過した頃、たんが絡んだせきがなかなか取れないと、再度来院された。
日中、夜間ともせき込みが続いており、朝はたんが絡み、日中会議の際に一度せきが出ると止まらないので困っているという。のどもいがらっぽいというので診察すると、すでに赤みや腫れはなくなっていた。聴診でもぜんそくなどの異常はない。
とはいえせきが続いており、せきのしすぎで 肋骨 を骨折することもあるので、せきに対応する治療を開始することにした。ステロイドと気管支を広げる薬の混ざった吸入薬を毎日吸入して、少しずつ治してもらう。吸入薬に含まれるステロイドは気道の炎症を抑えていく効果があり、飲み薬に比べ安全性が高い。ただ即効性はないので、せきがひどい時の頓服薬としてせき止めの飲み薬を併用してもらうことにした。この薬の作用は、脳に働きかけてせきが出るのを抑えるものなので、定期的に服用するのではなく、対症療法として補助的に使うと心得ていた方が良い。
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