藤原るか「ヘルパーは見た! 在宅介護ペット事件簿」
医療・健康・介護のコラム
犬1匹と猫7匹の個別ケア 1時間3520円…超高齢者2人の介護もまるっとおまかせ
介護保険はNGだらけ
今回は、私が所属する介護事業所「グレースケア」のペットケア事業部準備室の活動を紹介します。
グレースケアは、介護保険の介護サービス(原則として、費用の1割を利用者が負担)のみを提供する一般的な事業所と違い、介護保険制度外の自費サービス(全額利用者負担)も行っています。
介護保険は、皆さんが払った税金と保険料で運営されているので、不適正利用を防ぐための細かい決まりがあり、さまざまな制限が設けられています。「話題のハリウッド大作を見たいので、映画館に連れて行って」とか「荒れ放題の庭をちょっと片づけてほしい」といったリクエストは、介護保険ではお受けできませんが、自費サービスなら「どんと来い!」です。
設立15年の草分け
そんな自費サービス、近年は取り組む事業所が少しずつ増えていますが、グレースケアがNPO法人として設立された2008年当時は、とても珍しかったのです。まさに草分け的存在というわけです。
ペットの世話も介護保険ではできない行為に含まれ、グレースケアにも度々、依頼が寄せられています。これまではサービス提供責任者が動物OKのヘルパーに声をかけて、その場その場で対応していたようですが、介護の現場でペットケアが切実に必要とされていることを常々、実感していた私は、グレースケアの柳本文貴代表に「人員や研修などの体制を整えて、本格的に取り組んでみては?」と提案したのです。
その結果、ペットケア事業部の立ち上げに向けて、まずは準備室を作ることに。当時、私は他の介護事業所をメーンの勤務先としていたのですが、そちらを辞めてグレースケア専属となって、この準備室を担当することになりました。
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