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慢性咳嗽に有効な治療薬、メタ解析で判明 UCC、RCC治療薬のメタ解析

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 8週間以上咳が続く慢性咳嗽(CC)の発症率は世界で9.6%とされ、患者の46%は治療にもかかわらず長引く咳に苦しんでいる。CCの中でも原因不明の慢性咳嗽(UCC)、原因が不明で最新の診療ガイドラインに従って専門家の指導の下で行う治療トライアルによっても持続する難治性咳嗽(RCC)がある。最近の研究でも咳と関連するさまざまな部位に作用する薬剤が幾つか提案されているが、それらの有効性と安全性を示すのに十分なエビデンスがない。そこで中国・National Centre for Respiratory MedicineのZiwen Zheng氏らは、UCCやRCCに対する治療薬の有効性と安全性を評価するシステマチックレビューおよびメタ解析を実施し、EClinicalMedicine( 2023 Jul 20;62:102100 )に発表した。

システマチックレビューで現行の薬物療法を評価

慢性咳嗽に有効な治療薬、メタ解析で判明 UCC、RCC治療薬のメタ解析

(C)Adobe Stock ※画像はイメージです

 Zheng氏らはPubMed、Web of Science、Embase、Ovidの各データベースから、2008年1月1日~23年3月1日に発表されたランダム化比較試験を抽出してシステマチックレビューを行った。RCC患者に対するレスター咳嗽アンケート(LCQ)、視覚的評価スケール(VAS)、咳嗽頻度に対する効果を比較し、有害事象(AE)の発生率などを比較した。適格とされた19件のRCTには3,326例が含まれ、7つの薬物カテゴリーが検討されていた〔P2X3受容体拮抗薬、γアミノ酪酸(GABA)調節薬、一過性受容体電位(TRP)調節薬、NK1受容体拮抗薬、オピオイド鎮痛薬、マクロライド系抗菌薬、クロモグリク酸ナトリウム〕。

P2X3受容体拮抗薬で全般的に高い有効性が検出

 P2X3受容体拮抗薬はプラセボとの比較で、咳嗽重症度VASが重み付け平均差(WMD)-11.08(95%CI-19.18~-3.19、P=0.006) で、LCQはWMD 1.64(同0.53~2.63、P<0.001)、咳嗽重症度日記(CSD)合計スコアはWMD-1.63(同-3.10~-0.15、P=0.031)、24時間咳嗽頻度はWMD-11.04(同-21.31~-0.78、P=0.035)と、夜間咳嗽頻度以外では有意な有効性が認められた。

 GABA調節薬の効果量(LCQおよび咳嗽重症度VASのWMD)は、1.35(95%CI0.47~2.23、P=0.003)および-7.84(同-13.02~-2.66、P=0.003)であったが、24時間咳嗽頻度における有意な効果は確認できなかった。24時間咳嗽頻度はP2X3受容体拮抗薬がRCC患者に最も有効であり(WMD-19.2、95%CI-25.4~-11.6)、累積順位曲線下面積(SUCRA)は、LCQ 0.711、24時間咳嗽頻度0.983、咳嗽重症度VAS 0.786であった。GABA調節薬はプラセボよりも24時間咳嗽頻度において優れた有効性を示した(SUCRA:0.632vs.0.472)が、TRP調節薬はプラセボより有効性が低かった。

 AEのメタ解析からは、P2X3受容体拮抗薬とAEの有意な相関が認められ(RR:1.129,、95% CI1.012~1.259)、特に味覚関連のAEが特徴的であった(RR:6.216、P<0.05)。

 以上の結果から、UCCやRCCに対してP2X3受容体拮抗薬が比較的高い有効性を示し、GABA調節薬も一定の有効性を示したものの、いずれも中枢神経系のAEとの有意な相関が見られ、安全性の面で課題が残ると考えられた。

 Zheng氏らは「慢性咳嗽の薬物療法を最適化するためにはさらなる調査が必要である」と付言している。(山田充康)

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