知りたい!
医療・健康・介護のニュース・解説
[熱中症対策]血圧が高い人 塩分補給はどうする?
熱中症対策として、水分とともに塩分(ナトリウム)を補給することが大切と言われています。しかし、血圧が高い人は日頃、減塩を求められています。この時期、どのように対応したらよいのか、高血圧治療に詳しい「内科クリニックこばやし」(相模原市)院長の小林一雄さんに聞きました。(聞き手・利根川昌紀)
塩分補給なぜ必要?
――熱中症対策として、塩分を補給することが大切と言われているのはなぜですか。
暑くなって体温が上がると汗をかき、水分が体外へと放出されます。その際、体内にあったナトリウムなども失われていきます。体内での濃度を適切に保つために、一般的に塩分補給もしましょうと言われています。
――どのくらい補給するのが適切ですか。
どのような環境にいるのか、体は大きいのか小さいのか、激しく運動をするかどうかなどによっても異なり、一概には言えません。熱中症になりそうな時などは、一般的に500ミリ・リットル中に0.5~1.0グラムの塩分が含まれていれば十分です。
1日6グラム未満
――高血圧の方はどうでしょうか。
高血圧(最高血圧140以上または最低血圧90以上)の場合、1日の塩分摂取量は6グラム未満に抑えることが推奨されています。しかし、多くの患者さんは、これが守られていません。そのため、一般論を言えば、高血圧の人が熱中症対策として塩分を余計に取る必要はありません。
ただ、「6グラム未満」をきっちり守っている人は、熱中症対策として塩分補給が必要となってくるかもしれません。また、心身が弱っているサルコぺニアやフレイルといった状態で、十分な食事を取れていない場合も、同様です。食事の量が適切かどうかは、毎日、体重を量り、減っていないかどうかで判断できます。
――最高血圧が130以上というような「高め」の人はどうすべきですか。
高血圧とは診断されない「高め」でも、塩分を1日6グラム以上取ることは勧められていません。正常な人でも過剰な塩分摂取は健康によいとは言えません。140以上の方と同じ対応をするのが望ましいです。
高血圧の人も、そうでない人も、まずは1日の塩分摂取量を把握しましょう。スーパーやコンビニエンスストアなどで販売されている食料には、塩分量が記載されています。最近は、塩分量を把握できるアプリもあります。
1 / 2
【関連記事】