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いつか赤ちゃんに会いたいあなたへ

医療・健康・介護のコラム

卵子提供を受けて生まれた娘に「本当のママじゃないくせに」と言われても…血のつながりを超えて幸せになった家族

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卵子提供にはドナー側の負担も

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 日本では戦後から、夫以外の精子を用いた非配偶者間人工授精(AID)が行われており、それによって生まれた子供は2万人とも3万人ともいわれています。この治療のほとんどが匿名のドナーによるもののため、生まれた子供の多くは自分の遺伝上の親が誰であるかを知ることができません。何らかのきっかけで親と血がつながっていないことを知り、悩む方もいます。そうした点や倫理的な問題なども取り上げられることが増え、ドナーが減り、今では件数は減ってきています。

 卵子提供は、以前は日本で行われておらず、海外に行って治療を受ける人が少なくありませんでした。今では少数ながら日本でも実施されるようになってきました。

 ただ、卵子提供をするには、卵子をたくさん育てるためにホルモン注射を複数回行い、その後、手術による採卵を行う必要があるなど、ドナー側に大きな負担が伴います。倫理的な問題もあるほか、ドナーと治療を受ける側、双方のメンタルケアなども重要になるため、あまり多くの件数は行われていません。

 そして、日本にはまだまだ「血縁」という血のつながりを重視する向きが根強くあります。しかし、エステラのように血のつながりを超えても幸せな家族はたくさんいることを、私は知っています。この事実が、もっと広がればいいなと心から思います。

 日本にも、そうなりたいと努力をしていらっしゃるカップルもいるかと思います。エステラの話が少しでも支えになればと願っています。(松本亜樹子 NPO法人Fine=ファイン=ファウンダー・理事)

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松本 亜樹子(まつもと・あきこ)
NPO法人Fineファウンダー・理事/国際コーチング連盟マスター認定コーチ

松本亜樹子(まつもと あきこ)

 長崎市生まれ。不妊経験をきっかけとしてNPO法人Fine(~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~)を立ち上げ、不妊の環境向上等の自助活動を行なっている。自身は法人の事業に従事しながら、人材育成トレーナー(米国Gallup社認定ストレングス・コーチ、アンガーマネジメントコンサルタント等)、研修講師として活動している。著書に『不妊治療のやめどき』(WAVE出版)など。
Official site:http://coacham.biz/

野曽原 誉枝(のそはら・やすえ)
NPO法人Fine理事長

 福島県郡山市出身。NECに管理職として勤務しながら6年の不妊治療を経て男児を出産。2013年からNPO法人Fineに参画。14年9月に同法人理事、22年9月に理事長に就任。自らの不妊治療と仕事の両立の実体験をもとに、企業の従業員向け講演や、自治体向けの啓発活動、プレコンセプションケア推進に力を入れている。自身は、法人の事業に従事しながら、産後ドゥーラとして産後ケア活動をしている。

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