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産業医・夏目誠の「ストレスとの付き合い方」

医療・健康・介護のコラム

「うつ病」で3回休職した銀行員、それでも定年まで勤めたい…とどまった役職は?

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「うつ病」で3回休職した銀行員、それでも定年まで勤めたい…とどまった役職は?

あかださきこ

 うつ病は発症頻度が高く、再発率が6割を超える慢性疾患です。働く人たちがうつ病で休職が必要になった時、昇進への影響をどう考えるかという問題に直面します。私は、元気で働き続けるためにベストな選択を考えて、本人や職場の上司、人事とも相談してアドバイスをしてきました。これまでうつ病の再発を繰り返しながら定年まで勤めあげた人も見てきました。30代で最初のうつ病を発症した大手銀行員の例を紹介します。

支店調査役の時にうつ病で休職6か月

 銀行で支店調査役の上野太郎さん(36歳、仮名)は妻と子ども1人の3人家族。性格はきっちりしていて責任感が強いタイプです。銀行の調査役というと、一般に管理職の一歩手前のポスト。「疲れやすい」「夜中に何回も目覚める」「気力が出ない」という訴えでメンタルクリニックを受診。「うつ状態」の診断書が出され休養加療となりました。抗うつ剤と睡眠導入剤の処方です。

 6か月後に主治医から「就業可能」の診断書が出て、私は精神科産業医として、彼の復帰面談を行いました。

産業医 :発症した時には、仕事の負荷や時間外労働が急に増えたという事情がありましたか?

上野さん:調査役でしたので強い負荷があったわけではありません。

産業医 :ほかに要因はありましたか?

上野さん:特に思い浮かびません。本を読んでみても、自然にうつ病になったように受け止めています。

 職場へのあいさつやラッシュ時の通勤訓練、簡単な作業ができていることを確認し就業可能と判断。彼は仕事に復帰しました。

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natsume02-prof

夏目誠(なつめ・まこと)

 精神科医、大阪樟蔭女子大名誉教授。長年にわたって企業の産業医として従業員の健康相談や復職支援に取り組み、メンタルヘルスの向上に取り組んでいる。日本産業ストレス学会元理事長。著書に「中高年に効く! メンタル防衛術」「『診断書』を読み解く力をつけろ」「『スマイル仮面』症候群」など。新著は企業の人事や産業医向けの「職場不適応のサイン」ウェブ書籍「メンタル・キーワード療法~5分でできる簡易セラピー」。
夏目誠の公式ホームページ」「精神科医マコマコちゃんねる - YouTube

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3件 のコメント

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自分の人生と企業の役目

みこもち

「うつ病」で3回も休職。企業は一体何をやっていたのか疑問を感じます。何のための企業運営なのでしょうか? 企業の社会的責任はないのでしょうか? 社...

「うつ病」で3回も休職。企業は一体何をやっていたのか疑問を感じます。何のための企業運営なのでしょうか? 企業の社会的責任はないのでしょうか? 社員が病気になるほど努力を続けるのが企業のあるべき姿などと胸を張って言えることでしょうか。心療内科医の治療は対症療法でしかないと思います。企業改革にメスを入れることこそが本来の治療ではないでしょうか。

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再発予防の努力とは?

さはら

何をすれば、再発予防の努力をしている、と同僚や上司は認識してくれるのでしょうか。再発なんて、本人も一番避けたい事態なので、普通に日常生活を過ごす...

何をすれば、再発予防の努力をしている、と同僚や上司は認識してくれるのでしょうか。再発なんて、本人も一番避けたい事態なので、普通に日常生活を過ごす上で様々な工夫をしたり、薬の継続服用を続けたりしていると思います。それでも、努力してない、と勝手に思われるなんて、何だかな、と思います。無理解が仕事を続けていく上での一番のネックになっていると思います。

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自分の人生と企業の役目

よーマン

企業の責任が問われるのはある程度仕方がないでしょう。ただ、会社が配慮できることにも限界があり、特に人が少ない職場などは異動もあまりないでしょう。...

企業の責任が問われるのはある程度仕方がないでしょう。ただ、会社が配慮できることにも限界があり、特に人が少ない職場などは異動もあまりないでしょう。会社の努力は必要ですが、同時に、うつになった人の再発予防の努力を求めることも重要かと思います。

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