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坂本壮「救急の世界」

医療・健康・介護のコラム

アナフィラキシーが起きたらどう治療すればいい?…使う薬剤の発見者は日本人

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アナフィラキシーが起きたらどう治療する? アドレナリン注射の方法、部位、量に注意しよう

 急性のアレルギー反応「アナフィラキシー」とは何か、どのような時に疑うべきか、については 前回 お話ししました。それでは、アナフィラキシーと判断したら、どのように治療すべきなのでしょうか。

アナフィラキシーの治療はアドレナリン一択

 アナフィラキシーの治療で使用する薬剤は「アドレナリン」です。それ以外には存在しません。救急外来など初期診療を受ける際に、抗ヒスタミン薬やステロイドなどの薬を使うこともありますが、アドレナリンに優先されるものではなく、必須の薬でもありません。

 このアドレナリン。発見者は日本人です。高峰譲吉(1854~1922年)らによって1900年に抽出されました(米国ではエピネフリンと呼ばれています) (1)

アドレナリンの正しい使い方を把握しよう

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 アナフィラキシーと判断したらアドレナリンを使用するわけですが、使い方を誤ってしまうと、効果が得られないばかりか、状態を悪化させかねません。どのように使えばよいのか、投与する方法、部位、量を正確に理解しておきましょう。

 アナフィラキシーは、早期に認識し、対応することが予後に大きく影響します。また、後述するエピペンは、自分や家族に対し、みなさんが投与する可能性があるため、覚えておくことをお勧めします。

<1>筋肉注射
 筋肉注射が正しい投与方法です。筋肉注射とは、ワクチンなどの医薬品を皮下脂肪の奥にある筋肉に注射する方法のことです (2) 。新型コロナワクチンの接種も筋肉注射でしたね。皮下注射ではなかなか効果が現れず、静脈内注射では効果の現れ方が急過ぎて致死的な不整脈などが起こってしまうため、投与の方法は極めて重要なのです。

<2>太ももの外側
 太ももの外側に打ちます。新型コロナワクチンの接種では肩の筋肉(三角筋)に打ちましたが、アナフィラキシーに対するアドレナリンは即効性が求められるので、筋量の多い部位が適しているためです。

<3>投与量は年齢、体重によって異なる
 投与量する量は次の通りです (3)

 体重10キロ・グラム以下の乳幼児 体重1キロ・グラムあたり0.01ミリ・グラム
 1~5歳の小児          0.15ミリ・グラム
 6~12歳の小児         0.3ミリ・グラム
 13歳以上および成人       0.5ミリ・グラム

 年齢によって量が異なるということを理解しておきましょう。年齢とともに体重が増し、必要量が増えると覚えておけばOKです。最大の投与量でも、1回当たり、小児では0.3ミリ・グラム、成人では0.5ミリ・グラムです。

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坂本 壮(さかもと・そう)

 地方独立行政法人 総合病院 国保旭中央病院 救命救急センター医長。2008年順天堂大学医学部卒業。順天堂大学医学部附属練馬病院救急・集中治療科、西伊豆健育会病院内科を経て,19年4月より現職。救急外来で研修医とともに奮闘中。救急初期対応などに関して、全国の研修医や看護師に向けて、「あたりまえのことをあたりまえに」をモットーに教育活動を行っている。趣味はミュージカル鑑賞。ミュージカル好きな方と盛り上がりたい。好きな漫画は「宇宙兄弟」。著書は「救急外来 ただいま診断中!」(中外医学社)など。

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