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歯周病を防ぐ「歯ぐきマッサージ」とは…高齢になってからでも遅くない

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[フレイル予防隊]特別編 【歯ぐきの手入れ】歯磨きついでに マッサージ習慣

 歯を失う主な要因で、かむ力など口の機能が衰える「歯周病」。歯と歯ぐきのすき間に原因菌が入り込んで炎症を引き起こし、歯を支える骨を溶かすこともある。フレイル予防隊と東京都墨田区にある日用品大手「花王」の事業場を訪れ、歯ぐきの手入れの大切さを学んだ。(石井千絵)

 「全身の健康と口の健康は密接な関係があります」。6月下旬、花王でフレイル予防隊の8人を前に、奥村綾・上席主任研究員が歯周病の仕組みを説明した。

 奥村さんによると、加齢やストレスなどで歯ぐきの力が衰えると、すき間が広がり、原因菌の侵入に抵抗しにくくなる。最近の研究では、歯周病が糖尿病を悪化させたり、認知症のリスクを高めたりするなど、全身に影響することも分かってきた。歯を失ってかむ力が衰えると、食事からしっかりと栄養をとれなくなって全身のフレイルにつながる恐れもある。

 説明を聞き、不安な表情を浮かべていた予防隊員だったが、奥村さんは「歯周病の前段階にあたる軽度の歯肉炎なら、適切なセルフケアで元の状態に戻ります」と語った。歯磨きの際に歯ぐきをマッサージすれば、血流が良くなり、必要な栄養や酸素が歯ぐきに届く。それによって原因菌に抵抗する力が強まるという。

[フレイル予防隊]特別編 【歯ぐきの手入れ】歯磨きついでに マッサージ習慣

歯ぐきマッサージを実践するフレイル予防隊(墨田区文花の花王すみだ事業場で)

 マッサージには、柔らかい毛の歯ブラシが有効だ。奥村さんは歯ぐきへのダメージを抑えるため、研磨剤の入っていない歯磨き剤を勧めている。歯と歯ぐきの境目に歯ブラシをあて、10~15秒、小刻みに横に動かす。歯ブラシをあてる位置は口の奥から前に少しずつ移動させる。

 全体を終えたら、次は歯ぐきの根元だ。弧を描くようにくるくると動かして仕上げる。歯ブラシがなければ人さし指でもよい。力を入れすぎたり、同じ箇所をやり続けたりすると、かえって歯ぐきを痛めてしまう。

 マッサージを実践した予防隊員たちは「口の中が気持ちいいわ」などと感想を言い合った。

 歯周病の患者は、年齢が上がるにつれて増える。厚生労働省の2016年の調査によると、患者の割合は30歳代では65%。花王が21年にまとめた調査では、歯周病を自覚していたのは30歳代で19%にとどまり、自覚のないまま進行する様子がうかがえた。

 花王の担当者は隊員たちに、「30歳代から歯ぐきのケアをするのがお勧めですが、高齢期でも今から習慣にするとよいでしょう」と締めくくった。

 硬いせんべいが大好きという杉並区の佐久一枝さん(86)は「年2回の歯の検診は欠かさないので歯の状態には自信があったが、歯ぐきの健康までは意識していなかった。今後はマッサージを実践したい」と話した。

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