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子の付き添い入院 親は過酷「その日を生きるのに精いっぱい」…食事・睡眠不十分で半数が体調崩す

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 入院する子どもの病室に泊まり込み、世話する親たちの半数以上が体調を崩している。こうした「付き添い入院」の過酷な実態が今年6月、NPO法人の当事者アンケートで明らかになった。睡眠や食事を十分取れないままケアを担っていた。政府が病院を調査する方針を示す中、専門家は親たちを支える取り組みの必要性を訴える。(河野越男)

■疲労極限

付き添い入院 親は過酷…子と24時間病院に 食事・睡眠不十分 半数、体調崩す

 「息子さんは、急性リンパ性白血病です。今日から2週間はお母さんが付き添ってください」

 東京都杉並区の女性会社員(36)は2020年2月、都内の大学病院で聞かされ、驚いた。当時1歳9か月だった長男(5)が別の病院から転院した直後だった。

 女性は言われるままに、付き添いを申し出る書類を出し、夜間は男性が付き添えない6人部屋に泊まり込んだ。夜は、ぐずる長男を寝かしつけた後、病床わきの狭い区画に自分用の簡易ベッドを組んだ。寝返りを打てない大きさで、眠れなかった。医師の説明が難しく、病状を十分理解できないまま、不安が広がった。

 同年9月の再入院時は新型コロナウイルスの感染拡大で、女性も病棟から出られなくなった。同じ境遇の母親たちと交代で病棟のシャワーを使い、家族が差し入れた冷凍食品を食べた。

 長男は入退院を繰り返し、現在は自宅で経過観察中だ。女性は付き添った計5か月間の日々について「その日、その日を生きるのに精いっぱい。有料でいいから食事と休める環境がほしかった」と語る。

付き添い入院 親は過酷…子と24時間病院に 食事・睡眠不十分 半数、体調崩す

 墨田区の女性団体職員(45)は21年8月から1か月間、都内の大学病院で抗がん剤治療を受ける長男(7)の病室に泊まり込んだ。

 小さな病床に当時5歳だった長男と2人で寝た。食事や入浴、排せつを介助して24時間、病棟で過ごすうち、心身の疲労は極限に達し、孤独感にもさいなまれた。「付き添う親の心身のケアへの配慮がもっとあれば安心して過ごせた」。女性は当時を振り返る。

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