Dr.イワケンの「感染症のリアル」
医療・健康・介護のコラム
新型コロナ 「5類」になったら「マスク外せ」は正しいか?…ヘルパンギーナ、RSウイルスも流行中
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が「5類」になったことで、いろいろなところで感染対策のルールや仕組みが変わってきました。まあ、正直「5類」とは関係ない、どさくさ紛れの変更も多々ありましたけど。
小ずるい誘導
例えば、文部科学省は児童・生徒が「マスクを外して学校生活を送ることができるよう情報発信しなさい」と促しています。もともとは「マスクの着用を求めない」となっていて、「マスクはしてもしなくてもいいですよ、自己判断ですよ」という話だったはずなのですが、なんかビミョーに議論をスライドさせて、「マスクを外して」がゴールになっています。
もちろん、そこは官僚のやることなので「別にマスクをすることを禁止してはいませんよ」とちゃんと言い訳は用意していますが、巧みに「マスクを外せ」に誘導するあたりは小ずるいです。
https://www.mext.go.jp/index_00021.html
「5類」になったのに医療機関は逼迫
ところが、これが最悪のタイミングでした。全国各地で新型コロナの感染者が増加した上に、エンテロウイルスによるヘルパンギーナやRSウイルス感染など、他の感染症も同時に流行しました。

ヘルパンギーナの流行状況 2023年度は太い赤線(国立感染症研究所ホームページより)
( https://www.niid.go.jp/niid/ja/10/2096-weeklygraph/1653-11herp.html )

RSウイルス感染の流行状況 23年度は太い赤線(国立感染症研究所ホームページより)
( https://www.niid.go.jp/niid/ja/10/2096-weeklygraph/1661-21rsv.html )
多くの子どもたちが熱や痛みに苦しまなければならなくなりました。小児科外来はパンク、病棟は満杯になり、入院したくてもできない子どもたちが続出しています。各地で学級閉鎖、学校閉鎖が発生しています。
本稿執筆時点で、特に状況が 逼迫 しているのは沖縄県です。全国レベルよりもはるかに急な増え方のため、医療機関では、他の病気やけがの対応すら難しくなっています。いわゆる「医療崩壊」状態です。すでに沖縄県から軽症や検査目的の受診を控えるよう、通知が出ています。
ちなみに、その沖縄県は「医療崩壊」とまでいわれているのに、県民への通知ではマスクの推奨は医療機関と高齢者施設訪問時のみ。必死の状況下では「みんなマスクしてよー」となりそうなものですが。沖縄に限らず、多くの都道府県で文科省同様「マスク外せ」の圧力(あるいは雰囲気)が醸し出されていますが、一体どんな力が働いているんでしょうねー。気になります。
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まともな記事をありがとうございます
osaru
子を持つ親として同意しかないです。マスクを外せ圧力、本当にそうです。終生免疫を獲得できるならまだしも…。わざわざ感染させたいのかなと思うようなこ...
子を持つ親として同意しかないです。マスクを外せ圧力、本当にそうです。終生免疫を獲得できるならまだしも…。わざわざ感染させたいのかなと思うようなことばかり。
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