産業医・夏目誠の「ストレスとの付き合い方」
医療・健康・介護のコラム
「現代型うつ病」の相談が減少…我慢するより転職の選択が

あかださきこ
現在、関西で大企業を中心に5社で精神科産業医をしていますが、35歳未満の若手社員の相談内容が変わってきているように思います。2000年ごろから目に付き始めた「新型うつ病」の相談の減少です。「現代型うつ病」という言い方もしています。この病気では、職場や仕事では抑うつ感があるのですが、会社を休んでいる間は旅行など好きなことを楽しめます。こうした訴えを抱える若手が減ってきているのはどうしてか考えてみました。
イライラや不眠の症状
うつ病は、気分の落ち込みや意欲の低下で日常生活に支障がでるのが主な症状。布団から出られないこともあります。自殺の危険もあるので要注意です。それに対して、過去20年ぐらい話題になってきた「現代型うつ病」と呼ばれる相談例をまず紹介します。24歳の販売企画営業部の山田次郎さん(仮名)が相談に訪れました。
産業医 : しんどそうですね?
山田さん: イライラして、仕事のミスが続いてしまって……。
産業医 : イライラですか?
山田さん: 朝は体が重くて起きられない。眠れないし、頭も重いんです。
産業医 : それで。
山田さん: 仕事のやり方を先輩に相談しても、同じ説明の繰り返しで。
産業医 : 問題をきちんと伝えていますか?
山田さん: えっ、それに気づいて指摘するのが指導者の役目でしょう。課長もなんにもしてくれなくて……。
産業医 : 課長にも相談したんですか?
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