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9か月勾留「野菜不足の弁当」で40代男性が一時危篤、ビタミン不足で脚気と診断

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 埼玉県警川口署に約9か月勾留された40歳代の男性が、留置施設の弁当の野菜が極端に少なくビタミン不足で 脚気かっけ になったとして、県を相手取り1000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、さいたま地裁であった。沖中康人裁判長は男性の請求を一部認め、慰謝料など55万円の支払いを県に命じた。

9か月勾留「野菜不足の弁当」で40代男性が一時危篤、ビタミン不足で脚気と診断

さいたま地裁

 判決などによると、男性は2017年11月に詐欺容疑で逮捕され、同署に勾留。朝はパン、昼・夕は弁当を食べていたが、18年5~6月、筋力低下などを訴え、8月に入院。一時は危篤状態となり、ビタミンB1不足による脚気と診断された。

 県警は19年11月、同署で勾留された別の4人がビタミンB1欠乏症になったとして納入業者との契約を打ち切った。ただ、それ以前は栄養不備がわからなかった上、長期収容を想定しない留置施設では栄養よりもカロリー確保が求められるなどと主張し、争っていた。

 判決では、ビタミンB1の不足が脚気の原因になることは広く知られているとし、「(県警が)注意義務を怠った」と結論づけた。県警の佐藤拓也・首席監察官は「判決内容を十分に精査し、関係部署と協議して対応したい」とコメントした。

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