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医療・健康・介護のコラム

45歳でも産めると思っていたアラフォー女性…不妊治療を始めたいけど転職したばかりで言い出しにくい

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45歳でも産めると思っていたアラフォー女性…不妊治療を始めたいけど転職したばかりで言い出しにくい

 なんとなく子どもがほしいとぼんやり考えてはいたものの、気が付けばアラフォー。治療のタイムリミットが迫ってしまい、焦る人も少なくありません。

39歳で考え始めた子どものこと

 会社員のKさんは39歳。結婚はしていませんが、一緒に住んで1年半になるパートナーがいます。彼は5歳年下の34歳でいわゆるバツイチです。

 最初は結婚など意識していませんでしたが、付き合い始めてから、ひんぱんにお互いの家を行き来するようになったので、「これなら一緒に住んだほうが経済的だし便利だよね」と、軽い気持ちで一緒に暮らし始めました。最初は小さなけんかや言い合いは何度となくありましたが、すぐにどちらかが折れて大きなけんかになることはなく、「けっこう相性がいいのかも」と思ったそうです。

結婚と子どもを持つことを彼に相談したら…

 結婚は意識していなかった2人ですが、Kさんは「子どものこと」が気になっていました。これまで2人で話題にすることはなく、彼がどんなふうに考えているのかも聞きづらかったそうです。

 しかし、40歳になるのを前に「このままでいいのかな」と思い始めたといいます。45歳くらいまでなら産めると思っていましたが、 高度生殖医療の保険適用が42歳まで と知り、もうあまり時間がないと焦りを感じたそうです。

 思い切って彼に話をしてみたKさん。彼は少し驚きながらも、Kさんの話を真剣に聞き、これまではあまり語ってこなかった自分の思いも本音で話してくれました。彼はまだKさんよりも若く、前回の結婚がうまくいかなかったこともあり、結婚自体にあまりいい印象を持っていなかったそうです。ましてや子どものことはまったく考えていませんでした。しかしKさんが話をするのを見て、「自分もKさんとのことは真剣に思っているし、将来は子どもを持つことを考えている」と話しました。

一体何をしていたんだろう

 Kさんは彼の言葉を聞き、うれしさのあまり思わずぽろぽろ泣いてしまったそうです。「それなら、結婚して妊活もすぐに始めよう!」と、さっそく近くの病院を探したり、情報を集めたりし始めました。

 Kさんは、不妊治療を手がけている医療機関と妊活の情報の多さに驚いたそうです。食べ物や生活習慣、サプリメントなど、考えなければいけないことはたくさんありました。そして一番びっくりしたのは「40歳ではもう遅い」ということ。45歳くらいまで産めると考えていたこともあり、「私これまで一体何をしていたんだろうって思いました。不妊治療にはお金も時間もかかるし、のんきすぎた自分を責めたくなりました」。

いきなり体外受精を打診され…

 自宅近くのクリニックや大規模な総合病院など、ピックアップした医療機関の中から良さそうな専門病院の予約を取ったKさん。待ちに待った初診の日、病院での説明に驚いてしまいました。

 「年齢から考えて、人工授精よりも体外受精を始めたほうがいいでしょう。40歳になる前から始めれば、6回までは保険が使えます。もし40歳をすぎると3回までになってしまうので、それだけお金の負担が増えます」

 Kさんは、まさか最初から体外受精と言われるとは思っておらず、覚悟ができていませんでした。

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松本 亜樹子(まつもと・あきこ)
NPO法人Fineファウンダー・理事/国際コーチング連盟マスター認定コーチ

松本亜樹子(まつもと あきこ)

 長崎市生まれ。不妊経験をきっかけとしてNPO法人Fine(~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~)を立ち上げ、不妊の環境向上等の自助活動を行なっている。自身は法人の事業に従事しながら、人材育成トレーナー(米国Gallup社認定ストレングス・コーチ、アンガーマネジメントコンサルタント等)、研修講師として活動している。著書に『不妊治療のやめどき』(WAVE出版)など。
Official site:http://coacham.biz/

野曽原 誉枝(のそはら・やすえ)
NPO法人Fine理事長

 福島県郡山市出身。NECに管理職として勤務しながら6年の不妊治療を経て男児を出産。2013年からNPO法人Fineに参画。14年9月に同法人理事、22年9月に理事長に就任。自らの不妊治療と仕事の両立の実体験をもとに、企業の従業員向け講演や、自治体向けの啓発活動、プレコンセプションケア推進に力を入れている。自身は、法人の事業に従事しながら、産後ドゥーラとして産後ケア活動をしている。

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