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病気になっても~私の進む道

闘病記

[双極性障害]気持ちの浮き沈みが激しく過量服薬も…30歳代女性が立ち直るきっかけとなった言葉とは

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[双極性障害]「1~2週間働き退職」を10年間 自殺未遂も…30歳代女性が立ち直るきっかけとなった言葉とは

飼っている猫と戯れるユキさん

 36歳のユキさん(仮名)は10年ほど前、朝起きると突然、体が動かなくなり、仕事を続けられなくなりました。「どうして自分は、他の人が当たり前にできていることができないのか」。やがて、うつ状態とそう状態を繰り返す双極性障害と診断されましたが、苦悩していた時、ある言葉をきっかけに安定した生活を送れるようになったといいます。

仕事は明け方まで

 21歳で専門学校を卒業後、ゲーム業界で働き始めました。納期に間に合わせるため、朝から翌日の明け方まで勤務。帰宅して仮眠を取り、また出勤するという生活でした。

 働き始めて約2年半がたったある朝、目が覚めると体が固まった状態で全く動きません。医療機関を受診すると、「適応障害」や「うつ病」などと診断されました。

「今の私なら何でもできる」

 朝起きたくない。人が当たり前にできていることもできないのか――。毎日、葛藤し続けました。

 10か月近く休養して転職しましたが、長くは働けず、すぐに辞めてしまう状態でした。しかし、1年ほどたち、別のゲーム会社で仕事を始めると、今度は不思議と朝から翌朝まで、ずっと働くことができるのです。「朝も起きられるし残業も怖くない」。9か月後、会社側の都合で契約打ち切りとなりましたが、「今の私なら何でもできる」。そう思って、初めてゲーム関連以外の会社に就職しました。

 ところが、1か月半くらいたつと今度は抑うつ状態に。遅刻や休みが増え、3か月で辞めました。

 その後10年間、約20社を転々としました。気持ちの浮き沈みが激しく、薬を大量に飲んで自殺未遂を起こしたこともありました。

 たまたま「そう状態」の時に医療機関を受診し、双極性障害と診断されました。その時は「うつ病の一種」という認識しかありませんでした。

3回チャレンジして1回跳べるハードル

 苦境から抜け出せない中、安定した収入がないと暮らしていけない――。34歳の時、「今度こそ」と新たな決意を胸に仕事を見つけましたが、今度も3か月しか続きませんでした。

 「仕事続かない」「転職多い」「うつ」「精神疾患」……。こんな言葉をインターネットで検索すると、「リヴァ」という会社を見つけました。心の病に苦しむ人たちの復職・再就職を支援してくれるところです。公認心理師や臨床心理士、精神保健福祉士といった専門家のサポートを受け、プログラムに参加しながらストレスへの対処法を身につけたり、自分がどういった状況になると調子が悪くなるのか考えたりすることができます。その訓練施設に通うことにしました。

 毎日通うつもりでしたが、週2回しか行けません。その日の気分や体調、プログラムの振り返りをするための「日報」も、「総括」の項目の1行しか書けませんでした。

 しかし、しばらくするとリヴァの仲間から「日報で一日を振り返れているからすごいね」と驚かれました。スタッフからは「自分で20個掲げた一日の課題について、3個取り組めている。十分だよ」と褒められました。

 すべてを完璧にこなせなくてもいい。100回跳んでも1回しか跳べないようなハードルでなくても、3回チャレンジして1回跳べればOK。低め低め。「低い自分」がデフォルト――。

 そう考えると気持ちが楽になりました。リヴァに1年2か月ほど通ったところで、今の職場に就職が決まりました。

 また、ゲーム業界ですが、勤務は朝10時から夜7時まででリモートワークです。会社には病気のことも伝えていて、「仕事は一人で解決しようとしない。勤務時間は守って」と言われています。精神的にとても安定しました。今後も気持ちをうまくコントロールしながら、病気と付き合っていきたいです。

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