医療ルネサンス
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乾癬<6>感染性なし 正しい知識を…名古屋市立大教授 森田明理さん

もりた・あきみち 1989年、名古屋市立大医学部卒。独デュッセルドルフ大や米テキサス大などを経て、2003年から現職。22年から日本乾癬学会理事長。
乾癬 について、名古屋市立大皮膚科教授の森田明理さんに聞いた。
――どんな病気か。
「免疫の異常によって皮膚が炎症を起こす病気です。最もよくみられる症状は、赤く盛り上がった発疹の上に、白いかさぶたができます。かさぶたはくずになって剥がれ落ちます。アレルギーが原因のアトピー性皮膚炎など別の皮膚の病気と、見分けがつきにくいこともあります」
――ほかの症状は。
「手足や首、腰の痛みや腫れ、指のこわばりが起こる関節炎や、発疹で全身が真っ赤になる 紅皮 症などがあります。 膿 がたまった水ぶくれ( 膿疱 )が広がるタイプは、国の難病に指定されています」
――原因は。
「遺伝的になりやすい体質の人が、ストレスや肥満、感染症などの要因が引き金となり、発症するとみられています。国内の推計患者は約20万~40万人です」
――治りますか。
「慢性の病気で完治は難しいものの、2010年から生物学的製剤が使えるようになり、重い症状を抑えられるようになりました。症状を招く炎症物質『サイトカイン』の働きをピンポイントで弱めます。注射薬か点滴薬で、12種類まで増えました」
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