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でべそになるのはなぜ? 治療は必要?…大人になってなる人も
Q 0歳の息子のへそが丸く膨らんでいるみたい。これって「でべそ」なのかな。
ヨミドック でべそは、へその部分が突出して、その中に腸管や脂肪組織が飛び出ている状態のことです。医学的には「 臍 ヘルニア」といいます。胎児の時にへその緒が通っていた部分は通常、生後1か月頃には収縮し、腹膜と癒着してふさがります。ただ、へそが完全に出来上がるまでに激しく泣くなどして強い腹圧がかかると、臍ヘルニアを発症することがあります。新生児の10人に1人はいるとされます。
Q 治療法はあるの?
ヨ 1歳までに約8割、2歳までには9割程度が自然に治ります。ですから2歳頃までは経過観察し、治らなければ穴を閉じる手術が行われています。また、「圧迫療法」という治療もありますよ。
Q 圧迫療法って?
ヨ 飛び出た腸管などをおなかの中に押し戻し、綿球やウレタン製の専用品をテープで貼って押さえる方法です。医師、もしくは医師から指導を受けた保護者が行います。だいたい週に1度貼り直し、早ければ1か月ほどで治ります。自然に治すより、皮膚が伸びにくいため、形がきれいに治りやすいというメリットもあります。

ただし、この治療は生後6か月以降では効果が期待できません。幼稚園や小学校など集団生活が始まると、周りからへその形について指摘されて傷つく子どももいます。不安があれば、早めに医師に相談しましょう。小児外科の専門医がいる医療機関の受診をお勧めします。
Q 大人は?
ヨ 大人になってから、肥満や妊娠、腹水などによって持続的に腹圧が上昇して臍ヘルニアになる人もいます。子どもと違い、自然に治ることはありません。
まれに、 嵌頓 といって、へそに飛び出た腸管などが元に戻らず、 壊死 してしまう場合があります。そうなる前に、へそを切開して縫合したり、おなかに網目状のシート(メッシュ)を入れて修復したりする手術もあります。
Q どこで治療できるの?
ヨ 大人の場合は、一般外科、もしくは消化器外科がいいでしょう。大きさや症状の有無などによって治療内容は変わりますので、医師に相談してください。(安藤奈々/取材協力=吉沢穣治・昭和大江東豊洲病院小児外科教授、松原猛人・聖路加国際病院ヘルニアセンター医長)
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
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