医療ルネサンス
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乾癬<1>生物学的製剤で症状改善
福岡県に住むA子さん(69)は2週間に1回、福岡大病院(福岡市)に通う。皮膚の病気「 乾癬 」の治療薬を注射するためだ。「この薬に出会う前と後では、まるで違う人生を歩いているようです」という。

お薬手帳や説明書類を手に闘病を振り返るA子さん
乾癬は、免疫に関わる細胞から、炎症を起こすたんぱく質「サイトカイン」が過剰に出てしまうために起こる。A子さんの場合、始まりは19歳の時。頭や背中に赤みをおびた発疹ができた。そのうち、表面は白くなり、くずになって剥がれ落ちた。乾癬で最も多い「尋常性」というタイプだった。
治療はまず、炎症を抑える飲み薬や塗り薬を使う。A子さんも長年、これらの薬を使ってきた。だが、皮膚の症状はよくならず、別のタイプにもなった。発疹が広がり、全身の皮膚が赤くなる「 紅皮 症」や 膿 が詰まった水ぶくれが出る「 膿疱 性」だ。
2012年に転機が訪れた。主治医の提案で「生物学的製剤」での治療を始めた。サイトカインの働きを強力に抑える効果があり、飲み薬や塗り薬で改善できない重い症状の患者向けだ。
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