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医療・健康・介護のコラム

[村野武範さん](下)くいしん坊リポーター、おいしくない時が難しい…好きな時間は大谷選手の活躍を見ている時!

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 日本テレビ系の「飛び出せ!青春」の熱血教師役で人気を集めた俳優の村野武範さん。フジテレビ系の「くいしん坊!万才」のリポーターとしてもお茶の間の顔になりました。70歳で4期の中咽頭がんから回復、75歳で腎不全のため長女がドナーとなり腎臓移植を受け、現在も元気で活動しています。芸能活動を中心にお話を聞きました。(聞き手・渡辺勝敏、写真・中山博敬)

早稲田の学生劇団の同期には、長塚京三や田中真紀子

[村野武範さん](下)くいしん坊リポーター、おいしくない時が難しい…好きな時間は大谷選手の活躍を見ている時!

――商社マンになりたくて、早稲田大学商学部に入ったそうですが、どうして方向転換したんですか。

 海外で仕事をしたいという漠然としたあこがれを持っていました。授業では簿記もやるし、商業英会話のサークルにも入りました。でも、日本語厳禁のサークルはやっぱり大変で、「俺には合わない」と思って、すぐに挫折してしまいました。あきらめが早い方で、70歳で中咽頭がん4期と言われた時も「俺はもう終わりだ」と思ってしまったくらいです。

 当時、姉には「お前は真面目な人間じゃないんだから、好きなことをやった方がいい」って言われて、夏休みの間考えました。それで、中学生の時にやった芝居のことを思い出したんです。男子がいないから手伝ってと、友だちから演劇部に誘われて参加したら、東京都の代表になってNHK教育テレビ(現、Eテレ)の番組にも出ました。芝居は面白かった。方向を変えて、早稲田の学生劇団に入りました。

――頭の切り替えが早いですね。

 劇団はいくつかあったんですが、たまたま部室に人がいたこともあって、「こだま」っていう劇団に入りました。1年上には久米宏さん、同期には長塚京三や田中真紀子がいましたね。久米さんはちょうど入れ違いでしたが、先輩たちが言うには、久米さんは「格好いい」って、近くの日本女子大の子たちが見に来ていたそうですよ。

 1年半の活動で「俺、下手だな」と思って、外部の劇団の夜間教室に通いました。4年生になると、周りは就職活動。自分は試験を受けてたまたま受かったので、大学を卒業してから文学座に入りました。「お前、芝居なんかで飯食えるのかよ」と周りからは言われましたよ。

「飛び出せ!青春」に出演するまで、酒店で配達のアルバイト

――24歳の時には、NHKドラマ「走れ玩具」の主役に抜てき、26歳で藤田敏八監督の映画「八月の濡れた砂」、続いて日本テレビ系の「飛び出せ!青春」ですから、俳優としては順調な滑り出しでしたね。

 「飛び出せ!青春」のころからは、俳優専業になれましたが、学生時代からいろいろなアルバイトをやってきました。一番長かったのは、酒店で車を運転して配達する仕事。アルバイトをしながら役者の仕事をしていました。

――「飛び出せ!青春」では、ヘアスタイルのことでプロデューサーともめたそうですね。

 ぼさぼさ頭だったので、プロデューサーに砧撮影所の床屋に連れていかれて、「先生役なんだからむさ苦しいのはだめ。さっぱり切ってくれ」って言われたんです。先生は清潔じゃなきゃダメで、同じシリーズの先輩の夏木陽介さんや竜雷太さんもきっちりカットしているって。だけど「このままやらせてください」って言い張ったんです。企画書を見ると、世界を放浪してきた先生らしくない先生で、当時はビートルズやヒッピーの影響で長髪がはやっていたし、このままの方が合うと思いました。「強情なヤツ」と言われて、一件でも視聴者から苦情があったら、坊主になるという約束で自分の考えを通させていただきました。オンエアされると、親しみがあっていいとか反応は良かったので、そのままになりました。

――今の感覚だとただぼさぼさな感じもしますが、ヘアメイクさんが整えたんですか。

 いやー女房にやってもらっていました。当時、新宿駅に「王様のアイディア」という店があって、そこで髪の毛を自分でそぐ器具を売っていましてね、劇団員はお金がなかったから、私も仲間の頭をよくやっていました。女房とは自動車教習所で知り合って、まだアルバイト生活をしていた25歳の時に結婚していました。

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