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痛みと上手に付き合う<3>複数の医療者が原因探る

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 痛みが長引く慢性 疼痛とうつう が生じる背景には、身体面だけでなく、ストレスや家庭・職場環境など、心理的、社会的要因が複雑に絡み合っている場合が少なくない。そのため、全国約40か所の医療機関にある「集学的痛みセンター」では、複数の診療科の医療者が専門性を生かし、チームで患者を診ている。

痛みと上手に付き合う<3>複数の医療者が原因探る

日本大板橋病院の痛みセンターでは問診後、医師や看護師、薬剤師などがそれぞれの立場から見解を伝え合う(東京都板橋区で)

 日本大板橋病院(東京都板橋区)の痛みセンターもその一つだ。2020年12月、東京都内の自営業、浅野 豪文ひでふみ さん(54)が受診すると、診察室には看護師、薬剤師、精神科医、痛みの専門医が順番に訪れた。問診は3時間近く続いたが、痛みを疑う人は誰もいなかった。「やっと信じてもらえた」ことがうれしかった。

 浅野さんは17年冬、当時中学生だった次男のサッカーの練習に付き合い、ボールを蹴った際、腰痛を発症した。約3年間、いくつもの医療機関を受診したが、原因は見つからなかった。

 ある大学病院では、医師に「異常はない。大丈夫です」と言われた。「こんなに痛いのに……」。痛みがあることさえ否定された気持ちになった。次第に立っていることも苦痛に感じ、就寝中は姿勢を変えるだけで声を上げてしまうほど、激痛が走るようになった。

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