医療大全
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痛みと上手に付き合う<1>手術でも治らず 40年
「痛みに自分の人生を邪魔されて、毎日イライラしていました」
関東地方に住むA子さん(61)は、約40年間にわたり、右腕や肩に広がる痛みに苦しめられてきた。
12歳のとき。小学校の休み時間に鬼ごっこで友人とぶつかり、突き指をして右手人さし指に激痛が走った。1週間たっても痛みは治まらず、高熱でひきつけを起こした。激しい頭痛にも襲われ、東京都内の大学病院で精密検査を受けたが、結果は「異常なし」。別の医療機関も受診したが、原因はわからないままだった。
友人や教師からは仮病を疑われ、気のせいだと言われた。「誰にもわかってもらえない」。大人になるにつれて右腕から首、肩まで痛みは広がっていったが、そのことを積極的に話せなくなった。
26歳のときに結婚した夫(75)には、プロポーズを受けた際、初めて「痛み」を告白したが、夫は根掘り葉掘り聞くことはしなかった。「包丁を持つのもつらいときがあるの」と伝えると、夫は「僕が切ったらいい」と言ってくれた。
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