文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

Dr.三島の「眠ってトクする最新科学」

医療・健康・介護のコラム

いびきをかくのはなぜ? 「高いびき」の人は「グッスリ眠れている」と言えるのか

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 こんにちは。精神科医で睡眠専門医の三島和夫です。睡眠と健康に関する皆さんからのご質問に科学的見地からビシバシお答えします。

 今回のテーマはいびきです。ことわざで「 高鼾(たかいびき) をかく」とは「グッスリ眠っていること」を指すようですが、実際には眠りの質は悪く、気付かないうちに日中の不調の原因になることが少なくありません。その理由についてご説明します。

いびきが大きい人の特徴は

しっかり眠れていると思っても、実はイビキが大きい人は…

いびきは、空気の通り道が狭くなって、息を吸ったり吐いたりする時に、「のど(咽頭)」や「のどちんこ(口蓋垂)」が振動することによって発生します。でも、目覚めている時には不思議といびきをかきませんよね。睡眠中に限っていびきをかくのは、眠りが深まるにつれて気道を支えている咽頭周囲の筋肉が緩んで、空気の通り道が狭くなることと、あおむけに寝ていると大きな筋肉の塊である重たい舌が喉の奥に落ち込んでくるためです。

  扁桃(へんとう) 腺や口蓋垂が大きい人、鼻が詰まっている人(口で息をすると舌が落ち込みやすい)、顎が小さくて後退気味の人(気道が狭く、かつ舌が落ち込みやすい)たちでは、いびきをかく人が多い傾向にあります。また肥満があると、喉周りに脂肪が沈着して気道が狭くなり、それがいびきの原因となります。飲酒も筋肉を 弛緩(しかん) させますので、深酒した夜はてきめんにいびきが大きくなることに気付いている方も多いでしょう。

 気道が狭く、舌が咽頭の後壁(つまり喉の奥)に完全に張り付いてしまうと、息を吸い込むことができなくなります。これが 閉塞(へいそく) 性睡眠時無呼吸症候群です。呼吸が停止することで血中の酸素濃度が低くなり、体の組織や細胞にダメージを与えます。10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上あると閉塞性睡眠時無呼吸症候群と診断されます。心臓病や脳血管障害、生活習慣病など様々な病気を悪化させたり、発症リスクを高めたりするので、職場の定期健康診断などでも、いびきや息止まりがないかチェックされるようになってきました。

1 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

photo_mishima-prof

三島和夫(みしま・かずお)

秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座 教授

 1987年、秋田大学医学部卒業。同大助教授、米国バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。日本睡眠学会理事、日本生物学的精神医学会理事、日本学術会議連携会員。著書に「不眠症治療のパラダイムシフト」(編著、医薬ジャーナル社)、「やってはいけない眠り方」(青春新書プレイブックス)、「8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識」(共著、日経BP社)などがある。

Dr.三島の「眠ってトクする最新科学」の一覧を見る

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事