ウェルネスとーく
医療・健康・介護のコラム
[矢沢心さん](上)不妊治療4年、7回目の体外受精で女児を出産…2度の流産は涙が止まらなかった、夫は「前に進もう」と
高校生の時に女優としてデビューし、6年の交際を経て25歳の時に格闘家の魔裟斗さんと結婚しました。子どもが欲しいと思っていたのですが、1年たってもできなかったため、不妊治療をスタート。3か所の医療機関で計7回の体外受精と顕微授精を行ってようやく子どもを授かることができました。20代で始めても、大変な道のりでした。その後は、次女、長男を授かり、現在は3人の子育て中心の日々を送る矢沢心さんに不妊治療の経験などについて聞きました。(聞き手・渡辺勝敏、撮影・中山博敬)
高校2年で映画デビュー、生理不順で婦人科に通った
――芸能界デビューは高校生の時ですね。
芸能界にあこがれを持っていましたが、チャンスをどこでつかんだらいいのかわかりませんでした。そんな時に知り合いが出してくれた映画のオーディションで「1次審査に通っているけど、受けてみる?」と言われて受けたのがきっかけです。「面白い子だな」って言われて、「バウンス ko GALS」という映画に出演して、高2の時にデビューしました。
――そのころから、婦人科系の病気で医療機関にかかっていたそうですね。
生理不順でした。1回来ても3か月とか、もっと長い間来ないんです。多 嚢胞 性卵巣症候群と診断されて、排卵に障害がある状態と言われました。治療で低容量ピルを処方され、1か月飲むと翌月には生理がきました。でも、特に不快な症状があるわけではないので、10代のころは、「来ない方が楽でいい」なんて思っていて、薬を飲み忘れてしまうこともありました。先生には「ピルをやめて3か月すると妊娠しやすくなるから気をつけて」と言われて、そこが大事だと思っていました。
初対面で運命の人と直感、6年の交際を経て結婚
――伴侶となる格闘家の魔裟斗さんとは19歳の時に会って、その時に結婚することを直感したとか。
友だちに会うために自分で車を運転して出かけたのですが、首都高の下でエンジントラブルを起こして動かなくなってしまったんです。友だちに来てもらって、JAFを待っていたら、たまたま友だちの知り合いだった主人が通りかかって、「どうしたの?」って声をかけてくれました。「初めまして矢沢心です」「マサトです」みたいな感じであいさつした時に、ビビビっと来て、この人と付き合ったら結婚するなと思いました。
――その後、間もなく一緒に暮らし始めて、2007年、25歳の時に結婚したわけですね。
一人暮らしをしていて怖い思いをしたこともあって、一緒に暮らすことになりました。結婚を決めた時には、子どもが欲しいと思っていて、若いし、ピルをやめたら妊娠するだろう、と考えていました。お医者さんにも言われていましたから。でも、1年たってもできなくて……。一方でこの卵巣の病気があると、妊娠しにくいということも聞いていたので、ちゃんと不妊治療を受けようと思いました。
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