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大川智彦「先手を打って、病に克つ」

医療・健康・介護のコラム

糖尿病が急激に悪化した60代男性、その陰に隠れていたすい臓がん

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術前化学療法~切除手術~術後化学療法

 それまで、「すい臓がんは予後が悪い」と幾度も聞いていたことから、K・Fさんが感じたであろう恐怖感は想像に難くありません。ただし、幸いにもリンパ節への転移はありませんでした。 腹腔(ふくくう) 動脈や上腸間膜動脈にも、がんの浸潤を認めなかったため、ステージIIAと診断され、担当医からは「この段階なら切除できます」「症状が出てからでは遅かった」と言われたそうです。ひとまずほっとした様子のK・Fさんでしたが、本当の闘いはここからです。

 すぐに入院となり、がん発見から2週間で治療開始となりました。治療はまず手術の前に、ある程度、がんを (たた) いて小さくしておく化学療法(術前化学療法)から始まりました。点滴と飲み薬の2剤による治療が3週ごとの2コース行われた後、切除手術となりました。

 すい臓の右端と十二指腸、胆管を切除する「 膵頭(すいとう) 十二指腸切除術」です。手術は無事に成功しましたが、担当医から「再発予防のため、術後化学療法もやっておきましょう」といわれ、治療終了と思っていたK・Fさんは少々がっかりされたそうです。とはいえ、すぐに「ここまで皆さんに良くしてもらい、家族も応援してくれているのだから、がんばろう」と気を取り直したそうです。

 術後化学療法は内服の抗がん剤を1日2回4週服用し、2週間休むという6週が1コースで、これを4コース行いました。しばらくは副作用である消化不良による食欲不振や下痢が見られ、胆管炎を起こしたり、不安や睡眠不足からうつ状態になったりしたこともあったそうですが、その都度、担当医に適切な対処をしてもらいながら、無事に治療を完走されました。術後化学療法が終了すると、すべての不調はすぐに消えたそうです。

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大川智彦(おおかわ・ともひこ)

 佐野メディカルセンター理事。1969年、名古屋市立大医学部卒。放射線腫瘍医として (がん) 研究会病院放射線科などで勤務し、英国留学後、94年、東京女子医大放射線科主任教授に就任。その後、徳洲会病院グループ放射線科部門長、東京西徳洲会病院副院長・検診センター長、佐野メディカルセンター予防医療センター長などを歴任し、2019年より現職。

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