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スポーツDr.大関の「ムーヴ・オン!」

 「する」「みる」「支える」のどの立場にあっても、スポーツは生活を彩り豊かにしてくれます。しかし、スポーツにけがはつきもの。けがを予防し、笑顔で楽しむために必要なスポーツ医学の知識を、整形外科医の大関信武さんが伝えます。

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WBCの球数制限、タイブレイク、選手を守るルール…制限がかかるが、新たな大谷伝説も生む

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WBCの球数制限、タイブレイク、選手を守るルールは野球の楽しみにマイナスか?

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は侍ジャパンの活躍で大変な盛り上がりを見せています。WBCでは、選手の負担を考えて、日本のプロ野球にはない様々なルールが採用されています。投手には、1次ラウンドでは65球、準々決勝は80球、準決勝と決勝は95球といった球数制限があって、登板のローテーションもこれを前提に組み立てられています。ただ、この球数に何か根拠があるかと言えば難しいところです。

投球数が多いと肘に障害が表れる

 野球経験のある健常の大人が全力投球した場合、投球前後で肘のMRI(磁気共鳴画像)がどう変化するか、3人の調査をした研究があります(1)。100球では、投球前後で変化はありませんでした。150球を投げると、投球で負担のかかる筋肉である前腕回内屈筋に変化がありました。また、200球を投げた人でも同じ変化を認めました。さらに2日間連投をしてMRIを撮影したところ、1週間後には肘内側側副 (じん) 帯にも変化がみられていました。

 この結果は、投球数の増加や連投が、肘の障害リスクを高めることを示唆しています。もちろん負担がかかるのは肘だけではありませんし、投球フォームや身体コンディションには個人差があるので、何球投げると危険だと画一的に言うことはできません。それでも、ある一定のルールを決めておくことは、選手の安全面を考慮すると重要なことと言えます。

 球数以外のルールとして、延長戦のタイブレイク制があります。十回からは点が入りやすい無死2塁からプレーを始めます。コールドゲームも採用されており、五回以降に15点差、七回以降に10点差がつくと試合は終了です。

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大関 信武(おおぜき のぶたけ)

 整形外科専門医・博士(医学)、読売巨人軍チームドクター、日本スポーツ医学検定機構代表理事、日本スポーツ協会公認スポーツドクター

 1976年大阪府生まれ、2002年滋賀医科大学卒業、14年横浜市立大学大学院修了。15年より東京医科歯科大学勤務。野球、空手、ラグビーを経験。スポーツ指導者などへのスポーツ医学知識の普及を目指して「スポーツ医学検定」(春、秋)を運営している。東京2020オリンピック・パラリンピックでは選手村総合診療所整形外科ドクター。

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