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東日本大震災12年 福島<6>子ども 萎縮しない社会へ

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東日本大震災12年 福島<6>子ども 萎縮しない社会へ

「おらもしゃべってみっが」で話す美加子さん(左)と蟻塚さん(2021年10月)=震災ストレス研究会提供

 2011年の東日本大震災と福島第一原発事故の後、福島県南相馬市の人々が守ろうとした存在がある。子どもたちだ。複数のクリーニング店を経営する高橋美加子さん(75)も、彼らの未来に思いをはせる。

 21年、「メンタルクリニックなごみ」(相馬市)の精神科医、蟻塚亮二さん(76)が代表を務める「震災ストレス研究会」が、市民が3・11を語るイベント「おらもしゃべってみっが」を開いた。美加子さんも参加した。他の2人の発表者も子を持つ母親たちだ。

 体験を語っていいんだと自分を肯定し、語りを人と共有する。その大切さに加え、子どものことがテーマとして浮かびあがった。

 蟻塚さんが解説する。震災以来、児童虐待の相談件数は全国で3・5倍、福島県で7・7倍に増えた。原発があった沿岸部では9倍程度とさらに多い。震災前から家庭が抱えていた問題や、住環境の変化、避難によるストレスが子どもに向かった可能性がある。

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