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「濾胞性リンパ腫」経過観察でよい?

  濾胞性ろほうせい リンパ腫のステージ1と診断されました。主治医からは「経過観察」と言われましたが、このままでよいでしょうか。今は何の症状もありませんが、不安です。(65歳女性)

「ステージ1」放射線治療推奨も

矢野 真吾 東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科教授(東京都港区)

 濾胞性リンパ腫は悪性リンパ腫の一つで、ウイルスを排除する免疫細胞のBリンパ球ががん化して発症します。自覚症状がなく年単位でゆっくり進行するため、ステージ3~4の進行期に診断される患者さんが7~8割にのぼります。

 この疾患の原因は不明ですが、特徴的な遺伝子の異常を高頻度に認めます。体表のリンパ節が腫れることが多いですが、 脾臓ひぞう や骨髄、十二指腸、大腸などに病変を認めることもあります。

 ステージ1は、病変がリンパ節、リンパ組織、臓器のいずれか1か所にある場合で、今回は早期に診断されました。ステージ1~2の治療は、放射線治療が推奨されます。十二指腸のリンパ腫など一部は、経過観察することもあります。

 ステージ3~4は〈1〉無治療で経過観察〈2〉リツキサン(分子標的薬)の単剤治療〈3〉リツキサンまたはオビヌツズマブと抗がん薬の併用治療――から選択します。

 治療開始は、腫瘍の大きさやリンパ節病変の数、患者さんの症状、血液検査の結果などから判断します。

 進行期でも長期生存が可能ですが、再発や再燃を繰り返し、進行の速いリンパ腫になることもあります。一方、新薬や、患者自身の免疫細胞を加工する「CAR―T細胞療法」など、治療は進歩しています。

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