松丸奨の「おとなの給食アレンジレシピ」
健康・ダイエット・エクササイズ
クジラの竜田揚げ…これぞ懐かしの学校給食
小学校栄養士の松丸奨です。みなさんにとって懐かしの給食といえば何を思いつくでしょうか? 揚げパン、ソフト麺、脱脂粉乳。きっとあの時はこういう給食で、こんなふうに食べていたなと様々なことを思い出しますよね。給食を食べるのは子供時代だけの特別な体験。みんなで同じものを食べた楽しい思い出は、いつまでたっても色あせません。
今回は懐かしの給食の中でも特に印象的であり、一定の世代がこれでしょう!と口をそろえる「クジラの竜田揚げ」のご紹介です。
今ではなかなか見かけることはありませんが、昔は捕鯨が推進されていたこともあり、クジラ肉が安く、鶏肉や豚肉の方が高価だった時代がありました。
今でも一部のスーパーマーケットに置いてあります。懐かしさから当時がよみがえるようだと購入する人がいます。通販でも買えますし、道の駅などでも購入することができます。たんぱく質が多く含まれていて健康的なのがうれしいですね。
手に入らない場合はマグロの切り落としで代用してもOKです。ずいぶんと食感がかわりますが、手に入りにくいクジラ肉にこだわらずに、割と似ているもので代用して、当時を思い出して食べるのも楽しいものです。
クジラ肉の思い出として「硬かった!」という印象をお持ちの人もいるでしょう。実は昔の給食だから硬かったとも言えます。大量調理用として流通していた多くがスジの多い硬い部位。しかも給食では、揚げてから、ある程度の時間がたったものを食べることになります。そうなると、どうしても硬くなってしまいますね。
家庭料理ならば大きく違います。現在スーパーなどに流通しているクジラは、軟らかくて上質な部位が多いです。そしてお家では作りたてを食べられるのが最大の利点。揚げたては驚くほど軟らかでジューシーです。
おいしいポイント1 クジラ肉は下味をつけて臭みをとると食べやすくなります。チューブタイプのショウガよりも生ショウガをすりおろすことで、より風味が豊かになります。
おいしいポイント2 片栗粉は、表面がサラサラになるくらい、クジラ肉にたっぷりとまぶすと、きれいに揚げることができます。
おいしいポイント3 クジラ肉が手に入らない時はマグロの切り落としで代用してみましょう。
[作り方]
(1) クジラ肉に下味をつけていく。購入した時のパックに調味料を入れると便利。クジラ肉に(A)の調味料をかけて、上からショウガをすりおろし、リンゴもすりおろす。混ぜてから、5分以上おいておく。
(2) 衣用の片栗粉をたっぷりとまぶす。ここでべたつくと上手に揚げられないので、サラサラになるくらいたっぷりと衣付けをする。
(3) フライパンに油を1cm高さ程度まで入れ、180度に加熱。クジラ肉をきつね色になるまで揚げる。薄く切ってあれば1分程度でOK。両面を揚げれば完成。
(レシピ作成 栄養士 松丸奨)
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「おとなの給食アレンジレシピ」は今回で終了します。多くの人が食べてきた給食。実は簡単に大人の給食アレンジができるものばかりです。お家でこそ、より味わい深く食べられます。懐かしさという特別なスパイスを入れて、ぜひこれからも味わってみてください。
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