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奈良県立医大が信金全国組織と協定、耳の「軟骨伝導」窓口で導入
奈良県立医科大は2月27日、全国の信用金庫で構成する「よい仕事おこしフェア実行委員会」と、包括的な連携協定を結んだ。医学の知識を利用して地域の活性化と産業の振興を図るため、相互に協力する。

都内で開かれた連携協定の締結式。(左から)奈良中央信金の高田知彦理事長、奈良県立医大の細井裕司学長、城南信金の川本恭治理事長。着ぐるみは(左)奈良県立医大のイメージキャラクター「しょうとくた医師くん」、(右)信用金庫の「信ちゃん」
連携の第1弾として、奈良医大の細井裕司学長が発見した「軟骨伝導」の技術を活用する。耳周辺にある軟骨の振動で音を聴く仕組みで、イヤホンを耳穴に入れる必要がない。複数の人が使用しても清潔に保ちやすいことから、実行委で事務局を務める城南信金(東京)やメンバーの奈良中央信金(奈良)の窓口で難聴者の接客用に導入を進める。
実行委は、地域の枠を超えてビジネスマッチングを支援する「よい仕事おこしネットワーク」を運営している。全国の中小企業が持つ技術やノウハウを生かし、軟骨伝導を応用した新商品の開発を目指す。協定の締結式で細井学長は、「軟骨伝導はスマートフォンやスマートグラス(眼鏡型の情報端末)など様々な通信機器に応用できる」と述べ、連携による製品開発に期待を寄せた。

軟骨伝導イヤホンを使った金融機関の窓口での接客のデモンストレーション(都内で)
協定には、奈良医大が主導して医学を基礎とする街づくりを進める「MBT(Medicine-Based Town)コンソーシアム」も連名で締結した。 MBT構想の推進に向けて、健康寿命の延伸や認知症の予防、在宅医療の推進などに貢献する新技術や新サービスの開発にも共同で取り組む。
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