教えて!ヨミドック
医療・健康・介護のニュース・解説
献血の呼びかけをよく耳にするけど、1日に何人分の血液が必要なの?
Q 街で献血への協力を呼びかけていたよ。
ヨミドック 献血は、病気の治療や手術で輸血などを必要としている人を救うため、健康な人が血液を無償で提供するボランティアです。
Q 誰でもできるの?
ヨ 16~69歳の健康な人が協力できます。献血会場で問診や血中のヘモグロビン濃度の測定を行い、最終的に医師が献血可能か判断します。
Q 新型コロナウイルスの感染拡大は影響した?
ヨ 献血する人が減り、血液を確保しにくくなりました。感染者は症状が消えて4週間たち、治療や通院が必要な後遺症がなければ、また献血できます。濃厚接触者は感染者との最終接触日から2週間たてば構いません。
Q 予防接種をしたら?
ヨ ワクチンの種類にもよります。ファイザー社、モデルナ社の新型コロナワクチンは、接種後48時間が経過していれば献血できます。
Q 僕にもできそうだ!
ヨ 献血の種類には大きく分けて「全血献血」と「成分献血」があります。血液中の全成分を採血する全血献血は、200ミリ・リットルか400ミリ・リットルです。
Q 成分献血って何?
ヨ 成分採血装置を使い、血小板や 血漿 だけを採る方法です。回復に時間のかかる赤血球は体内に戻すので、献血後の体の負担は軽くすみます。400ミリ・リットルの全血献血は、次の全血献血まで12~16週間あける必要がありますが、成分献血なら2週間後にまた成分献血できます。
Q 献血された血液は?
ヨ 精密な検査を行ったあとに血液成分ごとに分離し、「輸血用血液製剤」のほか、血漿成分から「血漿分画製剤」が作られます。
Q どう使われるのかな。
ヨ けがや手術、出産で輸血が必要なことがあります。また、白血病など血液のがんや、抗がん剤の副作用で正常な血液を作れなくなった時にも血液製剤を使います。
Q 保存はできないの?
ヨ 血液は生きた細胞が入っているため長期保存ができず、人工的に作ることもできません。必要な血液を確保するには、時期に偏りなく、1日あたり全国で約1万4000人の献血者の協力が必要となります。血液製剤を使った医療は、多くの人の継続的な協力で支えられています。
(西田真奈美/取材協力=森有紀・虎の門病院輸血部長、日本赤十字社)
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