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「CES2023」リポート(3)女性が「基礎体温」を測る必要がなくなるトイレ?…仏メーカーが開発した尿検査テック

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「CES2023」リポート(3)毎日のトイレが女性を救う?! フランスのメーカーが開発した尿検査テック

(写真はいずれも、なかのかな撮影)

 今年1月に米ラスベガスで開催されたテクノロジーの見本市「CES2023」では、月経に関わるホルモンを測定してくれるトイレ用機器が展示されていました。女性は、体のリズムを把握するため、毎日、基礎体温を測ることが大切ですが、このトイレ用機器を使えば、その必要がなくなるかもしれません。

面倒な基礎体温の計測や生理周期の入力

 女性の体は、低温期はエストロゲン(卵胞ホルモン)、高温期はプロゲステロン(黄体ホルモン)が働いていて、低温期と高温期の境目に排卵します。毎朝、基礎体温を測ることで、自分の月経や排卵の時期が分かるようになります。

 ただ、基礎体温を知るためには、精度の高い婦人体温計を使い、小数点以下2桁までを計測しなければなりません。精度が高いがゆえに、朝起きて布団の中でなるべく動かず舌下に体温計をさして1分待つ(その後記録して洗って乾かして枕元にまた置く)という大変面倒な作業が発生します。

 基礎体温を測らずとも、生理周期などを記録すれば予測をしてくれるアプリも多数ありますが、つけ忘れてしまったり、面倒くささからやめてしまったりすることがありました。

トイレで毎日ホルモン量を計測

 こうした手間を省こうと開発されたのが、フランスの健康機器メーカーWithings(ウィジングス)が開発している家庭用尿検査IoT機器「U-Scan」(ユースキャン)です。

 便器の内側に取り付けられた機器には試薬の入ったカートリッジが組み込まれています。そこに尿を当てると、微量の尿を取り込んで自動で検査をしてくれます。カートリッジには、黄体形成ホルモン値などを計測する「Cycle Sync」が用意されており、分析結果はスマートフォンに送られ、アプリに記録されます。

 黄体形成ホルモンなどのデータから、排卵期や月経サイクルが分かります。これにより、頭痛や腹痛などを引き起こすPMS (月経前症候群) や、深刻なうつ症状などメンタルに影響を及ぼすPMDD (月経前不快気分障害)が起きているかどうかを把握しやすくなります。

 家族がいる場合、複数人がトイレを使用することも想定されますが、機器内のセンサーが尿の出方のクセや距離を測り、個人を識別してくれます。

 生理の時期や妊娠の有無を確認するには、「基礎体温を測る」必要がありますが、トイレに行くだけで、自分の体の状態を知ることができるユースキャンのサイクルカートリッジは、女性が、「面倒くささ」から解放され、救いになるテクノロジーだと感じました。

 カートリッジには、栄養バランスを測定する「Nutri Balance」もあり、こちらは男性も利用できるそうです。

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