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Dr.三島の「眠ってトクする最新科学」

医療・健康・介護のコラム

毎日の睡眠時間、どれぐらいが正解なのでしょうか?

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 こんにちは。精神科医で睡眠専門医の三島和夫です。睡眠と健康に関する皆さんからのご質問に科学的見地からビシバシお答えします。

 講演会などで、「よい睡眠とはどのような睡眠ですか?」としばしば質問されます。昨今、睡眠の質を向上させるサプリメントなどに大変な人気が集まっているように、睡眠に悩んでいる人が多いようですので、改めて上記の質問の答えについて考えてみましょう。

科学的定義はないものの…

毎日の睡眠時間、どれぐらいが正解なのでしょうか?

 結論から言えば、「よい睡眠」の科学的な定義はありません。看板倒れでガックリでしょうか? 画面を閉じず、もう少しだけお付き合いください。より正確に表現すれば、「睡眠時間は何時間以上、深い睡眠が睡眠全体の何%以上であればよい睡眠」と言えるような具体的な数値が存在しないのです。

 よい睡眠の数値目標はありませんが、標準的な睡眠時間や深い睡眠の割合などの数値はあります。多くの健康なボランティア(被験者)に協力してもらい、睡眠ポリグラフ検査(夜間に脳波や呼吸、筋電図などを測定して睡眠の長さや深さを測定する検査)を実施して得られた睡眠データが世界中の研究機関にあります。それら何千人、何万人ものデータを集計して、一般人の睡眠時間などの平均値やばらつきが算出されています。

 例えば、そのようなデータを用いて米国の睡眠医学の専門家集団National Sleep Foundationが作成した推奨睡眠時間が公開されています。それによれば14~17歳(中高生)は8~10時間、18~64歳の現役世代の成人は7~9時間眠ることが推奨されています。そんなにゆっくり寝ている時間がない、と言う声が聞こえてきそうですが、多数の臨床研究から健康に過ごすためにはこれくらいの睡眠時間が必要であることが明らかになっているのです。

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三島和夫(みしま・かずお)

秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座 教授

 1987年、秋田大学医学部卒業。同大助教授、米国バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。日本睡眠学会理事、日本生物学的精神医学会理事、日本学術会議連携会員。著書に「不眠症治療のパラダイムシフト」(編著、医薬ジャーナル社)、「やってはいけない眠り方」(青春新書プレイブックス)、「8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識」(共著、日経BP社)などがある。

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