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加齢に伴い増える「レム睡眠行動障害」…気をつけたい生活習慣は?

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 就寝中に暴れる、大声でどなる、歩き回る――。隣で寝ている家族に、そのような行動が見られる場合、「レム睡眠行動障害」の可能性があります。中高年になると見られる病気で、一緒に眠っている人を殴ってしまい、ケガをさせてしまうこともあるといいます。どのように対応すればいいのか、「睡眠総合ケアクリニック代々木」(東京都渋谷区)理事長の井上雄一さんに聞きました。(聞き手・利根川昌紀)

発症原因は不明

加齢に伴い増える「レム睡眠行動障害」…気をつけたい生活習慣は?

Q:どのような病気ですか。

――夜、寝ている間は、脳と体が休んだ状態になる「ノンレム睡眠」と、脳だけが起きた状態に近い「レム睡眠」が、交互に90~120分の周期で繰り返されています。レム睡眠行動障害は、レム睡眠の時に夢を見ていて、それに伴い、体が動いてしまう病気です。患者は、50歳代の人もいますが、65歳以上になると特に目立つようになります。男性が多いです。

Q:発症の原因は分かっているのですか。

――原因は特定されていません。レム睡眠行動障害があると、寝ている間に自分がケガをしたり、家族に危害を加えてしまったりする恐れがあります。将来、パーキンソン病やレビ―小体型認知症などの病気を発症しやすくなると指摘されています。

服薬で症状を抑えられる

Q:どのように診断しますか?

――ご家族とともに受診していただき、就寝中の様子を聞きます。加えて、「睡眠ポリグラフ検査」をし、寝ている間の筋肉の活動量を調べます。レム睡眠時は体が休まる状態で、通常、筋肉は ()(かん) しています。しかし、レム睡眠行動障害の人は、筋肉の緊張が続いていて、体が動いてしまいます。問診と検査結果から診断します。

Q:治療法を教えてください。

――確立された治療法はありませんが、私のクリニックでは抗てんかん薬の「クロナゼパム」、パーキンソン病の治療薬「プラミペキソール」、漢方薬の「 (よく)(かん)(さん) 」などを処方しています。夢を見るのを減らし、レム睡眠中に体が動くことがないようにします。

Q:治療薬を使えば、将来、パーキンソン病やレビー小体型認知症といった病気にならずに済みますか。

――残念ながら、そうとは言えません。ただ、薬をやめると、レム睡眠行動障害の症状が再現しやすいため、使用し続ける必要があります。

深酒は控える

Q:レム睡眠行動障害を起こしにくくするために、日頃、どのようなことに気をつけて生活すればよいでしょうか。

――飲酒は、症状を誘発する可能性があると考えられます。酒を飲むと、睡眠の前半でノンレム睡眠の時間が増え、レム睡眠が短くなります。その分、後半ではレム睡眠が増え、症状が出やすくなる可能性があります。

加齢に伴い増える「レム睡眠行動障害」…気をつけたい生活習慣は?

いのうえ・ゆういち 1956年生まれ。82年東京医科大学卒業・鳥取大学大学院入学。87年医学博士・鳥取大学医学部神経精神医学助手。94年同大講師。99年順天堂大学医学部精神医学講師、2003年代々木睡眠クリニック院長、公益財団法人神経研究所研究員(現職)、08年から東京医科大学睡眠学講座教授(同)、11年から医療法人社団絹和会理事長(同)

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