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40歳以上の男性 異性への関心がないと死亡リスクが高まる?…山形大の2万人調査

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 異性への関心がない中高年男性は、関心がある人に比べて死亡リスクが高まるとする調査結果を、山形大の研究グループがまとめました。米科学誌「プロスワン」に2022年12月、論文が掲載されました。どのような研究なのでしょうか。

40歳以上の男女を最大9年追跡

40歳以上の男性 異性への関心がないと死亡リスクが高まる?…山形大の2万人調査

 研究グループは、山形県内の七つの自治体で健康診断を受けた、40歳以上の男女約2万人を対象に調査を実施。異性への関心の有無と死亡リスクとの関連について調べました。異性への関心に加え、病歴、何らかの治療薬の使用や症状、血圧、笑いの頻度、喫煙やアルコール摂取の状況、精神的なストレスの有無などについても質問しました。

 最大で9年、多くの人は7.1年(中央値)追跡し、最終的に1万9054人(男性7668人、女性1万1386人)のデータを解析しました。追跡期間(7.1年)中、503人が死亡しました。

 異性への関心がないと答えたのは男性8.3%、女性16.1%でした。

女性は関連性みられず

 解析した結果、異性への関心のない男性は、ある男性に比べて全体の死亡リスクが高いという結果が出ました。女性では、異性への関心の有無と死亡リスクに関係性はみられませんでした。

 研究をまとめた山形大医学部教授(看護学科)の桜田香さんは「異性に関心のない人は、関心がある人に比べて、〈1〉喫煙している〈2〉過去に酒を飲んでいた〈3〉ストレスを抱えている――といった人の割合が高く、その一方で、笑う頻度は少ない傾向がみられました」と説明します。

 ただ、年齢や高血圧、糖尿病など、病気の発症や生命予後に関わる要素を調整して比較しても、異性への関心がない男性は、ある男性に比べて、全体の死亡リスクが高く、統計学的に意味のある差(有意差)が確認できたといいます。

 一方、がんや心血管疾患との関連については、死亡との関連はみられませんでした。

 桜田さんは「こうした結果が出た要因は、詳しくわかりませんが、男女限らず、いろいろな人とコミュニケーションをはかるようにすることは大切なのではないかと思います」と指摘します。

 今回の調査では、「異性に関心があるかどうか」という尋ね方をしています。桜田さんは「今後は性的少数者も含めて研究していく必要があると考えています」と話しています。

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