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Dr.三島の「眠ってトクする最新科学」

医療・健康・介護のコラム

なぜ、睡眠不足が続くと太ってしまうのか

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 こんにちは。精神科医で睡眠専門医の三島和夫です。本年も睡眠と健康に関する皆さんからのご質問に科学的見地からビシバシお答えします。年末年始はゆっくり休めたでしょうか? おせち料理などおいしいものを食べすぎ、正月太りで困っている人もいると思います。今年の第1回目のテーマは睡眠不足と肥満の関係についてです。

睡眠時間と肥満の関係は「U字型」に

なぜ、睡眠不足が続くと太ってしまうのか

 睡眠不足は肥満の原因。睡眠問題で困っている人、関心のある人の間ではもはや常識ですね。インターネット上にもたくさんの記事が載っています。昨年も睡眠時間と肥満、内臓脂肪との関係を示す論文がいくつも出ました。

 これまでの数多くの研究で、睡眠時間と肥満の度合いとの間には「U字型」の関係があることが明らかになっています。睡眠時間が長くても、短くても、肥満の指標であるボディマス指数(BMI;[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗])が高くなります。横軸に睡眠時間を、縦軸にBMIを取って図にすると、その曲線がU字型になるのです。実は睡眠時間とさまざまな健康指標(糖尿病、高血圧、うつ病、寿命など)との間にこのU字型が見られます。

 睡眠時間が短くなると肥満リスクが高まる原因については解明が進んでいます。そのメカニズムは複雑で、現在分かっているものだけでも、食欲に関わるホルモンの変動、交感神経やストレスの影響、糖代謝の変化、体の炎症反応の影響、エネルギー消費量の減少など多様な要因が肥満リスクに関わっており、またその個人によって各要因の影響の度合いは異なります。

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三島和夫(みしま・かずお)

秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座 教授

 1987年、秋田大学医学部卒業。同大助教授、米国バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。日本睡眠学会理事、日本生物学的精神医学会理事、日本学術会議連携会員。著書に「不眠症治療のパラダイムシフト」(編著、医薬ジャーナル社)、「やってはいけない眠り方」(青春新書プレイブックス)、「8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識」(共著、日経BP社)などがある。

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