ウェルネスとーく
医療・健康・介護のコラム
[女優 川上麻衣子さん](下)コロナ感染、スタッフが一時危篤 志村けんさんや上島竜兵さんの死去は実感なく
14歳で女優デビューした川上麻衣子さん。50代半ばを過ぎた今も、女優業に加え、スウェーデン小物の店の経営、ガラスデザイナー、猫と人の共生をテーマとする団体の代表理事なども務め、多忙な毎日を過ごしています。そんな川上さんに、年齢を重ねることへの向き合い方や若い頃のパニック症、最近のコロナ感染の経験などをお聞きしました。(聞き手・藤田勝、撮影・小倉和徳)
舞台をやることで自分の生活サイクルを取り戻す
――中学時代に女優デビューして40年余り。年齢を重ねることにどのように向き合っていますか。
モデルさんだったら、きれいでなきゃいけないということもあるかもしれないですけど、女優は違うと思います。年をとることはしょうがないので、若い時にできなかった表現ができるといいなと思っています。そういう職業ですからね。
もちろん、体力が落ちてきたことを感じることはあります。ドラマの仕事なら睡眠時間の調節など自分で対処しやすいですが、舞台の場合は毎日続くので、体調をキープしなきゃいけないっていうのが本当に厳しいですよね。でもある意味、舞台をやることで自分の生活サイクルをきちんと戻せるという面もあるので、舞台の仕事がなくなってしまうと相当、体力が落ちるんじゃないかなと思います。
――更年期の症状などは?
ホットフラッシュとか、ありましたよ。急に暑くなるとか、汗が止まらないとか。でも20代のときに自律神経失調症、パニック症など、もっと激しいのをいろいろ経験しているので、それに比べれば50代はきつくないですね。
20代でパニック症 自分を追い詰めていた
――20代のころは仕事のストレスが強かった?
何か思い通りにいかなかったことが多かったんじゃないですかね。パニック症は30代で治り、今はまったく問題ないです。
――パニック症の経験から学んだことはありますか。
やっぱり本当に気の持ちようだと思います。責任感が強すぎる人がなるともいわれますが、自分で自分を追い詰めていって、「今ここで私が倒れたらどうなるんだろう」と思ってしまうのが一番良くないですね。舞台の公演前とか、本当に楽屋で息切れしていたことがよくあり、怖かったです。発作がひどかった時は、手がしびれちゃって全部そっくりかえっちゃうし、意識はあるけれど体温調節もできなかったです。過呼吸になるので、自分の吐いた息を吸うための袋はいつも持ち歩いていました。
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