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Dr.三島の「眠ってトクする最新科学」

医療・健康・介護のコラム

不眠症治療、そして卒薬にも欠かせない睡眠薬の「プラスアルファ」とは?

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 こんにちは。精神科医で睡眠専門医の三島和夫です。睡眠と健康に関する皆さんからのご質問に科学的見地からビシバシお答えします。一般的に、私たちが服用している治療薬の効果には薬物の実力(薬理作用)プラスα(アルファ)が含まれています。特に睡眠薬は「α」が非常に大きいことが知られており、不眠症を治すときも、睡眠薬を止めるときにもこの「α」が深く関わってきます。患者さんも知っておくべき睡眠薬の「α」とはいったい何者なのでしょうか?

こっそり偽薬に置き換えても

不眠症治療、そして卒薬にも欠かせない睡眠薬の「プラスアルファ」とは?

 睡眠薬は非常によく処方される治療薬の一つです。病院から処方されている睡眠薬を服用している患者さんは成人の20人に1人。60代以降では7、8人に1人が睡眠薬を服用しています。女性にやや多めなのが特徴です。睡眠薬を頼りにしている患者さんはとても多く、他の薬は飲み忘れても、睡眠薬だけは毎晩キッチリ服用する人が少なくありません。「睡眠薬がないと眠れない」「残りが少なくなっただけで心配になる」などとお話しされる方もいます。

 ところが、このような心配性の患者さんの中にも、実は自分の力だけで眠れている方がかなりおられます。例えば、それまで服用していた睡眠薬を、ホンモノ(実薬)と見かけ上区別のつかないニセ薬(偽薬、プラセボ)にこっそり置き換えても、ご本人が気付かないままに、それ以前と同じように眠れる患者さんが相当数いることが臨床研究などで示されています。つまり不眠症に悩み始めた当時は睡眠薬が必要でも、ある程度の期間服用して不眠症が治ると、自力で眠れるようになっているということです。

 反対に、「(睡眠薬を服用すれば)眠れているようだから、試しに睡眠薬を減量、中止してみましょう」とお話しすると、尻込みをする患者さんが圧倒的に多く、実際こわごわチャレンジしてみると、ちょっと減らしただけでも「やっぱり全然眠れませんでした!」とギブアップしてしまうことがしばしばあります。ナゼなのでしょうか? そこに深く関わっているのが冒頭の「α」です。ご説明しましょう。

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三島和夫(みしま・かずお)

秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座 教授

 1987年、秋田大学医学部卒業。同大助教授、米国バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。日本睡眠学会理事、日本生物学的精神医学会理事、日本学術会議連携会員。著書に「不眠症治療のパラダイムシフト」(編著、医薬ジャーナル社)、「やってはいけない眠り方」(青春新書プレイブックス)、「8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識」(共著、日経BP社)などがある。

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寝付きが悪い

サッチ

現在72歳。子どもの頃から寝付きが悪く、大人になると、仕事が3交代、2交代になったころから睡眠剤を飲むようになりました。子どもが小さかった時だけ...

現在72歳。子どもの頃から寝付きが悪く、大人になると、仕事が3交代、2交代になったころから睡眠剤を飲むようになりました。子どもが小さかった時だけは、大方、自然に寝付けるようになりましたが、その後、たびたび睡眠薬が必要になりました。それでも、60歳になったころから、ほとんど自然に眠られる日が多くなり、40分くらい寝付けない日だけ薬を服用。ところが、昨年、いとこが火事で亡くなり、睡眠薬服用に復帰。でもパートに行ってきた日は自然に寝付けますが、行く前日にはきちんと薬を飲みます。不眠症に関する研究、記事については、何度も読み、日常についても実践してみますが、あまり当てはまらないといつも思います。どうなのでしょうね。

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